橋下徹大阪府知事率いる「大阪維新の会」が20日開会の9月府議会に提出する「教育基本条例案」について、知事が肝いりで任命した府教育委員も含め、教育委員全員から強い批判の声があがっています。本日付の「しんぶん赤旗 」の記事を紹介します。

【9月19日付「しんぶん赤旗 に掲載】
「やってはいけないということをやっている。横暴としかいいようがない」。16日に開かれた府教育員会会議(委員6人)陰山英男委員(立命館大学教授)はこう憤りました。同委員は、「百ます計算」で知られ、知事の強い要請で就任。任命式では「今日から大阪の教育が変わる。大阪の子どもたちを頼む」と橋下知事が天まで持ち上げていました。

会議の冒頭から、「10年後も今の支持率が続き、この政策が支持されているといえるのか」と厳しい言葉がついて出ました。教育基本条例案は、知事が府立の学校教育目標を決めることや、全校長の公募、3年連続定員割れした高校の統廃合、学力テストの学校別結果の公表など、教育への露骨な政治介入を狙っています。

同委員は条例を「府の教育に関する最高規範」としていることに言及し、「最高規範って何ですか。こんなもので先生のやる気があがりますか」と語気を強めました。もう1人の橋元知事肝いりで就任した小河勝委員(大阪樟蔭女子大学講師、元中学校教師)は、「君が代」不起立など同一命令に3回違反した教員や、5段階評価で5%を最低評価とし、2年連続最低となった教員を免職すると明記した問題について、「教員は決められたことはやっている」と擁護。教員がご飯を食べていない子どもへの対応や家庭訪問と山のように仕事を抱えているとし、「教育は教師の誇りと情熱で支えられている。それを配慮せず、管理と処罰では壊れてしまうと断じました。

「教育現場を無視している。任期つきで校長は出来ない。従わなければ処分では現場はなりたたない。あまりに乱暴」と批判するのは中尾直史委員(学校法人雲雀丘学園理事)。「相対評価など、あり得ない。学校はどうしたらよくなるかを先生みんなで協力してやらないとよくならない」と訴えました。

川村群太郎委員(ダイキン工業役員)は「何より子どもが無茶苦茶になる。(教育委員の)総辞職しかない」と発言しました。陰山委員は「一国民として言うと、政治家としての資質が問われている。政治が教育をふりまわすという一番問題のことをしている」と語りました。

【松下ゆたかのコメント】
いままでの政治ではもどかしいという思いで、有権者がこういう知事を選んだが、その知事が勝手・横暴なことをやっている。知事肝いりの委員までが「待った」をかえる始末。時代劇流に言えば「殿、ご乱心!」という場面です。最後は、有権者がどう教訓を汲み取って活かしていくのか、注目しましょう!