北海道で販売されている「北方ジャーナル 」10月号に、「しんぶん赤旗 」編集局社会部司法・調査報道担当デスクの森近茂樹さんへの「緊急インタビュー」の記事が掲載されています。昨日、その概要についてブログに書きましたが、″実物”が入手できましたので、数回に分けて紹介させていただきます。

<今のメディアは、真実を語っているか>
「問」-まず、「なぜ、『赤旗 』だったのか」を知りたいんです。やらせメールを告発したした人は、新聞やテレビ、あるいは共産党 でない議員とかに情報を持ってくこともできたわけですよね。

「答」-編集局にも、また党にも、もともと情報提供は多く寄せられるんです。この問題に限らず、本紙は以前から調査報道に力を入れていて、社会部の中にそういうチームがある。日刊紙だけでなく、週間の『しんぶん赤旗日曜版 』でも独自取材を展開しています。たとえば水谷建設の関係者による『小沢一郎氏に1億円を献金』との証言は、日曜版の特ダネでした。今回の北電のやらせについては、先に九電の報道でスクープを出していたので(7月2日)、編集局としても『絶対ほかにもある筈だ』という思いがあり、告発を受けた直後に北海道へ記者を送っています」

「問」-そういう情報っていうのは、各メディアに渡っているにもかかわらず、赤旗しか書かない、ということなのか、それとも最初から赤旗にしか寄せられないってことなのか、どっちなんでしょう?

「答」-「もちろん両方あるんですが、一連の原発関係の告発については、ほとんど赤旗 だけにお寄せいただいたものですね。告発を考えておられた方が周囲の人たちに相談したところ、『赤旗 が一番だ』と言われた、と。とくに本紙を購読なさってるとかいうわけではなく、ごく普通の感覚でそう仰られるようです」

「問」-そうすると、どうしてもほかのメディアとの比較になってしまうんですが、要は「新聞・テレビに持ってってもどうせ報じないから」みたいな思いが拡がってるんでしょうか。

「答」-「赤旗 は大企業からの広告出稿がなく、発行元の共産党 はご存知の通り企業献金を受けていません。取材活動にいわゆる″縛り”がないわけです。情報を提供してくださる方はもちろん、われわれの報道を支持してくれる方々は、たぶん立場を超えて『本当のところを知りたい』という思いを強くお持ちなんじゃないでしょうか。今のマスコミは、もしかしたら真実を語っていないんじゃないかー。そういう疑問があるんだと思います」

「問」-26日の記事では、調べた事実を北電に当ててますが、相手からは「調査中」というコメントが出ただけ。その後、北電側から回答はあったんですか?

「答」-「ないですよ。たぶん、当日に開いた会見をもって回答とする、みたいな考えなんでしょう。本紙からは何度も質問を寄せるんですが、常に『調査します』、つまり事実上のノーコメント。北電からの発表は、記者クラブに対してだけです」


【松下ゆたかのコメント】
大変、貴重なインタビューの記事です。4~5回程度に分けて、つまり1日1回程度で紹介します。ぜひ、お楽しみに!