日本では、民主党政権も自公勢力も、財源と言えば消費税増税など庶民に負担を求める主張ばかりです。しかし、欧米では、財政危機打開の財源として、富裕層や大企業の経営者自身が「我々に増税せよ」と声をあげています。今朝の「しんぶん赤旗 」の1面トップに、その対比がクローズアップされていますので、紹介しましょう。


【9月15日の「しんぶん赤旗 」記事】
口火を切ったのは世界最大の投資持ち株会社「パークシャー・ハサウェイ」のウォーレン・バフェット会長兼最高経営責任者(CEO)。米紙ニューヨーク・タイムズ(8月15日付)への寄稿で、これまでの行き過ぎた資産化減税に触れ「億万長者にやさしい議会によって長い間甘やかされてきた」とし、大資産家への増税を提案しました。

これに呼応し、企業経営者や投資家でつくる米国の非政府組織(NGO)「繁栄の分かち合いをめざす実業家」が「景気浮揚のため最高税率を引き上げよ」とバフェット氏へ支持を表明。エールフランスKLM会長らフランスの大企業トップ16人も「われわれに課税せよ」と題するアピールを発表したほか、ドイツの資産家50人のグループ「資本課税を求める資産家たち」は、最富裕層への2年間の課税強化で1000億ユーロ(約10兆5000億円)の税収増が見込めると提案しました。

こうした提案が相次ぐ背景には、福祉予算の削減や庶民増税などの緊縮策では財政危機を打開できないという危機感があります。各国の政界も動き始めています。オバマ米大統領は8日の上下両院合同会議の演説で「バフェット氏は、みずからの税率が自分の秘書より低いと激怒し、改善を求めている」と述べ、4470億ドル(約35兆円)にのぼる雇用対策の財源を大企業・資産家への課税強化でまかなう考えを表明。スペインでは3年前に廃止した富裕税の復活が検討されているほか、韓国でも、来年実施の法人税率引き下げ対象から大企業を除外すると報じられています。

(一方、日本ではー・・・)経団連は14日、税制「魁聖」に関する提言を発表しました。東日本大震災の復興財源に消費税を充てることを求める一方、法人税については減税の実施を改めて要求しました。復興財源について提言では、消費税を「選択肢として排除すべきではない」と強調しました。消費税率については、2015年までに10%まで段階的に引き上げることを提起しました。

その際、1回の引き上げ幅を「少なくとも2~3%とすべきである」としています。その上で、20年代半ばまでに10%台後半に引き上げることを求めています。個人所得税の最高税率の引き上げについては「経済活力に悪影響を及ぼす可能性」をあげ、拒否しました。

法人税については、実効税率の5%引き下げの実行を改めて要求。震災復興財源対策としては、3年間に限り、引き下げた5%分を限度に付加税を課す方式などを提起。「純増税を行うことは絶対に容認できない」としています。今後の法人実行税率については25%程度にまで引き下げることを求めています。


【松下ゆたかのコメント】
とにかく、日本と欧米では考え方がこんなに違います。分かりやすくいえば、日本の財界の連中の頭のなかは、「自分が幸せになることしかない」と言うことでしょう。リビアのカダフィか北朝鮮の金正日に近いですね。まさに、日本の常識は世界の非常識!この非常識を変えるために世直しの大掃除をすることを提案します!