サッカー女子、ロンドン5輪アジア最終予選は11日、最終第5戦を行った。すでに5輪切符を手にしている日本(ランキング4位)は中国(同15位)に1-0で勝ち、通算4勝1分(負けナシ)の勝ち点13で1位通過を決めた。この日は、これまで出場機会のなかった選手が活躍、田中明日菜(23)が後半12分にゴールを決めた。川澄奈緒美(25)と宮間あや(26)は、全試合出場を果たした。

宮間選手は、北朝鮮戦で失点につながるクリアミスをして落胆している近賀に寄り添い励まし、団結の柱としての役割を果たした。

オーストリア戦の決勝点をふくめ、2ゴールを挙げた川澄選手には忘れられない試合がある。04年4月、日本がアテネ5輪出場を決めた東京・国立競技場での北朝鮮戦。当時、日体大1年だった川澄の目は、負傷した右ヒザに痛み止めの注射をうって出場した澤穂希選手(33)らピッチで躍動する青いユニホームにクギ付けになった。総立ちで応援する3万人余の大観衆。「女子の試合でこんなに感動させられるなんて」「自分もあの舞台に立ちたい」と決意。

川澄は、この日の熱い思いを胸に、卒業後、神戸市に本拠を置くなでしこリーグのINACに入った。そして、今年1月から、あこがれの存在だった澤選手とチームメートになった。7月のワールドカップ(W杯)では、準決勝で初先発を果たし、いきなり2得点。帰国後も引っ張りだこでスター的存在になった。中国戦で決勝点を挙げた田中選手は、川澄選手と同じチームの後輩だ。短期間に次々とスター選手を輩出するなでしこは、私たちにとって“希望の星”だ。被災地の復興を成し遂げる苦難の時代に、大いに頑張って、ロンドン5輪で「金メダル」を獲得してもらいたい。なでしこチームにイレブンあっぱれ!