ドイツの資産家50人のグループ「富裕層に資本課税を」が29日、メルケル首相に対し「財政赤字の打開策は、貧困層に不釣り合いに痛手となる歳出削減でなく富裕層への増税だ」と主張しました。英紙ガーディアン30日付が報じました。

フランスの富豪16人は23日、週刊誌『ヌーベル・オプセルバトゥール』で、政府の財政赤字削減支援のため富豪らを対象にした特別貢献税の創設を提唱しました。化粧品大手ロレアル創始者の娘のリリアン・ベタンクール氏や石油大手トタルのクリストフ・ドマルジェリ最高経営責任者(CEO)、航空大手エールフランスKLMのジャンシリル・スピネッタCEOらが名を連ね、「われわれはフランスの制度と欧州の環境から恩恵を受けており、その維持に役立ちたい」と述べています。

イタリアでも高級スポーツカーを製造するフェラーリのルカ・モンテゼーテロ社長が、政府資産の売却などの条件をつけながら、「富裕層に求めることから始めなくてはならない」とイタリア紙に語っています。これらは、富裕層への増税を呼びかけた米国の著名な投資家ウォーレン・バフェット氏の訴えに呼応した形となりました。

同氏は、世界最大の投資持ち株会社「パークシャー・ハサウェイ」会長兼CEOで、米紙ニューヨーク・タイムズで15日付に、「超大金持ちたちを甘やかすのはやめよ」と題して寄稿し、自らを含む富豪への増税を政府に求めていました。

ドイツの50人グループ創始者のレームクール氏は「われわれは教会で教えている者や医師や企業家だ。資産の多くは相続したものだ。われわれは必要以上の金を持っている」「貧富の格差拡大を阻むため手を打たなくてはならない」と語っています。

フランスのサルコジ政権は24日、増税措置を発表。そのなかで年間所得50万ユーロ(約5523万円)超の世帯への増税を打ち出しています。【9月1日付「しんぶん赤旗」掲載】

【松下ゆたかのコメント】
・驚きましたね。富豪が、自ら「金持ちに増税を」と発言したのです。それも1人でなくグループで。アメリカ、ドイツ、フランス、イタリアのサミット主要国です。どこの国も財政難ですが、その抜本策は「貧富の格差解消」しかありません。昔から“カネは天下のまわり物”といわれています。いまこそ「大企業の社会的責任」を果たさせ、歪(いびつ)になった経済を正すことです。それにしても、日本の大金持ちはどうしたのでしょう。経団連と政府は「スキあらば消費税増税」を考えているようなことを反省し、年金、医療、福祉の増進とともに、賃上げと雇用の抜本的な改善を主導してはいかがですか?ブログフレンドの諸君のお考えを、お聞かせください!