【「しんぶん赤旗」8月27日付】
参院の選挙制度改革検討会が26日、国会内で開かれました。西岡武夫参院議長が、基本方針の合意に向けた各党の改革案を説明してもらいたいと述べたのを受けて、日本共産党の市田忠義書記局長は、「改革の根幹となる一番大事な点は、1票の格差をなくすこと、議員定数を減らさずに格差是正を行うことだ」と指摘しました。

さらに、「新しい制度では、多様な民意、得票数が議席に正確に反映される比例代表制度を中心とすべきだ」と主張。その上で、西岡議長が1回目の検討会で示した、定数削減を行わずに全国9ブロックの非拘束名簿式比例代表制度に改めるという「たたき台」については「検討に値する」と述べました。

民主党は、選挙区の合区など比例と選挙区でそれぞれを定数を20削減する案を提示。自民党は、選挙区間の格差を最大4・5倍にする案を示しました。市田氏は、「基本的な問題についての合意なしに各党があれこれ方向の違う案を示しても収拾がつかない。最高裁の判決をどう評価し1票の格差是正や定数、選挙方法をどうするのかなどの基本的な合意を形成する協議が必要だ」と指摘。。同時に、「議会制民主主義の根幹にかかわることなので、その議論も国民にオープンにすべきだ」と強調しました。

西岡議長は、「1人が2票をもつことはおかしい。一番大事なのは、最高裁の判決を深刻に受け止めることだ」」と指摘。定数については「削減を主張している政党もあるので、どこかで折り合いをつけるため引き続き議論をお願いしたい」と述べました。国会閉会中、次期臨時国会でも検討会を開くことを決めました。

【松下ゆたかのコメント】選挙制度は、国民の代表である国会議員を選ぶ上で最も重要です。ところが、「2大政党の時代」を名目に小選挙区制度が導入され、比例定数が削減されています。その結果少数政党が議席を減らし、民意が正確に反映しなくなっています。「2大政党」政治が崩壊したいま、比例代表制度を中心に抜本的な制度の改革を合意すべきです。