昨日の「しんぶん赤旗」がスクープした北海道電力の“やらせ”について、北電はこの事実を認めました。27日付「赤旗」に大きく報道されました。

【27日付「しんぶん赤旗」】
北海道電力の坂井一郎原子力部長は26日、泊原発3号機へのプルサーマル導入について住民の意見を聞く2008年10月の道と地元自治体主催のシンポジウムで、社員に参加と推進意見の表明を促がす文書をメールで送っていたことを明らかにしました。この問題は、本紙(「しんぶん赤旗」)が入手した内部資料と関係者への取材にもとづいて、26日付でスクープしたもの。

文書には、「プルサーマル計画を確実に進めるためにも、数多くの方にご参加いただき推進意見を」などとありました。北電は同日夜の記者会見で、本紙(「赤旗」)報道について、「報道されたとおり(08年)10月3日付で泊原子力事務所渉外課から泊原子力事務所・泊発電所・泊原子力発電所建設所の各課に対して、当該依頼を行う文書がメールにて発想された事実が判明した」と全面的に認めました。

「今回の件を重く受け止め」るとしたうえで、メールが発送された経緯や出席者数、意見表明の有無、シンポジウムへの影響などについて詳細な調査の実施をする、としています。また、問題のシンポジウムだけでなく、同時期に開催された道や地元町村主催の他のシンポジュウムについても、同様の事例がないか、調査するとしました。

シンポジウムは北電と安全協定を結ぶ岩内町で開かれました。道によると381人が出席。出席者によるとプルサーマル導入に反対意見が多く出され、発言希望者がいるにもかかわらず、司会者が「時間切れ」と言って、発言を打ち切ったといいます。

会場で道が集めたアンケートでは、賛否が拮抗する結果が出ていました。社員への参加動員と推進意見の表明依頼とのかかわりが注目されます。

【日本共産党の笠井亮衆院議員の話】
九州電力に始まり、“北電おまえもか”という事態であり、むしろ原発推進のための「やらせ」が電力会社の常套手段だということが明らかになりました。九電の「やらせ」発覚を受けた調査で、北電は国主催のシンポについては「やらせ」はないとしながら、結局同時期の道主催のシンポでの「やらせ」は「しんぶん赤旗」によって事実が突きつけられるまで隠蔽していたのです。

中部電力や四国電力のように保安院からの「やらせ」指示があったのかも含め、徹底的に調査して明らかにすべきであり、「やらせ」なしに原発の安全性を説得できないことが明らかになった以上、泊原発の3号機の営業運転はきっぱり中止すべきです。<記事・全文>


米<松下ゆたかの談話>この「やらせ」事件の特徴は、電力会社が立地自治体の了承を得るために①「やらせ」動員を考えたこと②その手段に「メール」を使ったこと③内部告発者が出て、共産党=「しんぶん赤旗」に通報したこと④通告を受けた共産党=「しんぶん赤旗」が確証を押さえて、告発したこと⑤そして、電力会社がその事実を認めるという流れになっていることです。それでは、・各電力会社を連携させたのは誰か?・電力会社の関係者のなかに、つまり身内の中から必ず「内部告発者」が現れるのはなぜか?・通報先がマスコミや警察でなく、必ず共産党=「しんぶん赤旗」であるのはなぜか?ということです。

「国策」として原発推進政策をすすめてくる中で、国や行政機関の多くが原発の「安全神話」=「原発マネー」に侵されている状況のもとで、電力会社が平気で悪事に手を染めていること。しかし、「こんな悪事を黙って見過ごせない」という良心を関係者のなかにも呼び覚ましたこと。その時に「正義の味方=共産党」が閃いたということでしょう。戦前の暗黒時代に、哲学者の鶴見俊輔さんは「共産党は北斗星のような存在」と言いました。いまの社会でも共産党の役割は、ますます大きくなっています。北電のやらせを告発した「勇気ある告発者」と「赤旗」、笠井亮衆院議員にビッグあっぱれ!