3月」11日発生の福島第1原発事故について、私たちは今日まで「想定外の大津波が来たから」と思い込んでいました。ところが本日の「しんぶん赤旗」に、3年前に試算して経営陣も把握していたと報道されていました。その記事を紹介します。

【「赤旗」26日付】東京電力が東日本大震災の3年前、最大15・7㍍の高さの津波に福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)が襲われる危険性を指摘する試算結果を得ていながら、対策を取ってこなかった問題で、同社は25日、その試算結果を原子力担当役員ら経営陣も知っていたと明らかにしました。東電の松本淳一原子力・立地本部長代理は同日、明治三陸沖地震(1896年)と貞観光(じょうがん)地震(869年)を想定した津波の試算を2008年に行い大震災の4日前の今年3月7日に経済産業省原子力安全・保安院に試算結果を説明するまでの経緯などを説明しました。

試算では明治三陸沖地震を想定したケースで最大15・7㍍、貞観地震を想定したケースで最大9・2㍍の高さの津波が襲来するとしていました。東電はこの試算結果を受けて、経営陣も了承した上で08年秋に土木学会に津波評価基準の見直しを要請したといいます。松本氏は、「武藤(栄前副社長)も認識している。事故後、清水(正孝前社長)も経緯を知っていると思う」と述べました。清水氏は国会で「今回の津波の大きさは想定できませんでした」などと答弁し、武藤氏も会見で「想定を超える未曾有の津波」などと「想定外」を繰り返してきました。<全文>

私は、3年前に重大な事態を予測できたのに、、何の手立ても講じなかった経営陣の罪は極めて大きいし、今頃「後出し」で責任を逃れようとするのは許されないと考えます。被害者の皆さんや国民への責任だけでなく、結果として株主への責任も大きいと思います。結局チェック機能がない「地域独占」の異常がこうした事態につながったと考えます。検証をしっかり行い、こうした事態を再現させないよう、国民の監視を強めていくことが大事と考えます。