甲子園球場で決勝が行われ、日大三(西東京)が光星学院(青森)を11-0で破り、2001年の第83回大会以来、10年ぶり2度目の全国制覇を果たしました。

「全国の高校球児の思いを白球にこめ、この甲子園から消えることのない深い絆と勇気を、日本中の仲間に届けられるよう、全力でプレーすることを誓います」-この選手宣誓から始まった今大会。決勝戦こそ一方的な試合展開になりましたが、一投一打に目が離せない熱戦がつづきました。全試合48試合中、延長戦は大会最多タイの8、サヨナラし合いが7.とくに9回の攻防で点が動いた試合は、17にのぼりました。智弁学園ー横浜戦のように9回に一挙8点を奪い、逆転したし合いもありました。

これは、選手たちが最後の1球まであきらめずに力を尽くした表れでしょう。奥島孝康・日本高野連会長も閉会式の大会講評で、例年にないほど熱戦がつづいたことを強調しました。東日本大震災の復興支援のために、と銘打った今大会。全国4014校が参加した地方予選も、被災地では開催が危ぶまれました。甲子園期間中の19日も東北で強い地震があり、テレビ中継が中断するなど、日本はいまだに深刻な状態がつづいています。

そのなかで、1つの目標に向かって力をあわせ、重圧や困難にひるまず、ひたむきに汗を流す若者の姿は、たしかに、多くの人に勇気と希望をあたえました。今大会の総入場者数は昨年を上回る84万8000人。連日の好ゲームは、猛暑の球場に足を運ぶ人びとを日を追うごとに増やしました。

決勝で敗れた光星学院の川上竜平主将は「東北に優勝旗をもって帰ることができず残念だけど、全力でプレーできました。悔いはありません」と、さっぱりとした表情で話していました。

日本が復興へと歩み始めているいま、彼らが熱い熱いグラウンドから発信した絆と勇気は、きっと大きな後押しになったでしょう!

決勝戦を闘った2校を先頭に、全国4014校の選手と応援団、そして大会関係者の皆さんに敬意を表して、あっぱれ、あっぱれ、あっぱれ!