橋下徹大阪府知事率いる「大阪維新の会」が、5月府議会で強行採決した「君が代」起立強制条例を廃止せよと学者・著名人ら51氏が共同アピールを呼びかけ、その第一次分として653人が賛同していることを19日、呼びかけ人の丹羽徹大阪経済大学黄綬らが記者発表しました。

共同アピールにの呼びかけ人には、元日本教育学会会長の堀尾輝久さんや、作家のあさのあつこさん、東京大学教授の小森陽一さん、映画監督の山田洋次さん、無言館館主の窪島誠一郎さんらが名を連ねています。

共同アピールは、条例が教職員に「君が代」の起立、斉唱を強制するもので、それ自体、憲法19条が定める思想・信条の自由に対する重大な侵害と強調。大阪府の
教育長が「条例は必要ない」と議会で答弁しているにもかかわらず、それを無視して「維新」という一政治勢力が強引に条例化を行ったことは、教育への明白な介入だと述べています。

橋下知事と「維新の会」が9月府議会に、教職員の免職などが行える「教育基本条例案」を提出する危険性にもふれ、「教育が脅しや権力、時の政治勢力によって左右される大問題を引き起こすことになり、もはや教育と呼べない事態になってしまう」と批判しています。

記者会見で、呼びかけ人の丹羽教授は、条例の対象が府民に向けられ、「愛国心を持たなければ府民として失格だという位置づけを持つ条例です。国の愛し方を政治が決めて府民に強制する、大阪にとどまらず、日本全体に思想的な閉塞(へいそく)感も生み出すことになりかねない」と厳しく指摘しました。

常識を問われる知事と、知事がつくった「維新の会」という親衛隊(会派)が議会の多数を握っている大阪府議会は、それ自体が異常です。私は、そこで起きている「異常」な事態を告発した「アピール」に全面的に賛成です。教育への統制は、「いつか来た道」につながると危惧します。忘れた頃にやってくるのが、戦争です。「軍靴」の音が大きくなる前に、世論の力で封じましょう!