東京電力など電力会社の役員が個人献金を自民党側に組織的におこなう一方、労組の政治団体は民主党側に献金ー。電力会社が労使一体となって政界に影響力を強め、原発を推進してきた構図が「しんぶん赤旗」の調べで浮き彫りになりました。

原発を推進する電力会社の労組である電力総連の政治団体と、その関連政治団体が、2007~09年の3年間で、献金やパーティ券購入、研修会費などで、少なくとも9100万円を民主党側に提供していたことがわかりました。民主党本部は448万円、元東電労組委員長の小林正夫参院厚生労働政務官が4000万円、元関西電力労連会長の藤原正司参院経済産業委員長が3300万円と、両参院比例議員が群を抜いています。

電力総連は、小林、藤原両氏を組織内候補として民主党参院比例議員に連続当選させるなど、労組の「票とカネ」の力を背景に、民主党に影響力を発揮。民主党の原子力政策を、「過渡的エネルギーとして慎重に推進」(2005年総選挙政策)から、原発の新増設や輸出を積極的に進める方向へと、展開させた大きな役割をはたしたと見られます。献金の効果は抜群です。

一方、自民党の政治資金団体「国民政治協会」が2009年に受け取った個人献金のうち、6割以上が東京電力など電力会社の役員によるものです。電力業界はかつて鉄鋼、金融とともに「献金ご三家」といわれ、自民党側に多額の献金を行ってきましたが、石油ショック後の1974年、電気料金値上げへの世論の批判をかわすために、企業献金をやめています。しかし、役員の役職によってランクづけされた個人献金という形で、事実上の企業献金は各電力会社とも続けられてきました。「しんぶん赤旗」の調べによると、9電力会社の役員(OBもふくむ)206人が2791万5000円の献金を国民政治協会におこなっていました。

今回の原発事故で取り返しのつかない被害が出ているのに、民主党も自民党も「脱原発」を掲げられない背景に、「原発マネー(献金)」の重圧があります。再生可能エネルギーへの政策転換をすすめるためには、「再生不可能政党(民主・自民)と決別する以外にないと考えます。タブーのない政党、企業献金を受け取らない清潔な政党、日本共産党を大きく躍進させましょう!