現在、北極圏の海氷の上などに生息しているホッキョクグマ(シロクマ)は、過去10万年の間、ヒグマと繰り返し交雑したものの子孫だったー。アイルランド・ダブリン大学などの国際研究グループ」が細胞内小器官ミトコンドリアのDNAを使って調べた結果わかったと、米科学誌『カレント・バイオロジー』にこのほど発表しました。

シロクマとヒグマは、10数万年前に、共通の祖先から分かれたと考えられています。しかし、すんでいる地域が完全に離れておらず、分かれた後も交雑した可能性があると考えられています。

研究グループは、242頭のシロクマとヒグマからミトコンドリアDNAを採取しました。ミトコンドリアDNAは、母親のものだけが子どもに伝えられるtめ、それぞれの違いを調べることで、系統関係を推定できます。

その結果、過去10万年間に両者が繰り返して交雑した痕跡が見つかりました。交雑した時期は、地球が温暖化して北極海から海氷がなくなり、シロクマが陸地に進出した際とみられます。また、現在のシロクマは5万~2万年前にアイルランド付近に生息していたヒグマと交雑したものの子孫とみられるといいます。

この記事は、8月14日付の日刊「赤旗」に掲載されたものです。こういうことがよくわかるものだと感心します。地球の温暖化のもとでシロクマも絶滅危惧種として心配されていますが、いずれ海氷が少なくなっても、再び陸地に進出してヒグマと再会する日が来るのでしょうか?未来のヒグマ君に余計な苦労をさせないためにも、地球の温暖化と原爆・原発の問題は、解決してあげないといけませんよね。