東京電力で社長や会長を歴任してきた元役員が、メディアをはじめ、ゼネコンや金融機関の監査役を務めていることが、「しんぶん赤旗」の調べで分かりました。東京電力の元社長の南直哉氏は2006年から、フジテレビやニッポン放送(ラジオ)、扶桑社(出版)などを束ねるフジ・メディア・ホールデングスの監査役に就任しています。08年からは子会社であるフジテレビの監査役にもついています。また、荒木浩東京電力元会長は02年からテレビ東京の監査役に就任しています。同氏は04年から鹿島建設、三井住友フィナンシャルグループ、06年からは三井住友銀行の監査役にも就いています。

鹿島建設は1957年の日本原子力研究所第1号原子炉を皮切りに原子力分野へ進出し、その後の国内の原子力関連工事の半数近くに関わってきました。今回、過酷事故を起こした東電福島原子力発電所も67年の着工以来、第1~6号機を施行しています。

この2人が会長職、社長職を失ったのは02年に発覚した原子力発電所の点検記録の改ざん事件がきっかけでした。過去に実施した原発の自主点検で、原始炉炉心部分の機器の検査結果や修理記録、事故などを改ざん・隠蔽していたのです。この不祥事の責任を取って2人は社長・会長職を辞任しています。

「国策」と称して莫大な税金を投入する、経団連や関連企業の癒着関係をつくる、「安全神話」で政治家、マスコミ、大学教授や専門家を取り込む等々。今回の「赤旗」のスクープは、“東電伏魔殿”を暴露したもので、「さすが赤旗」と絶賛します。

悪に染まらない共産党と「赤旗」の存在は貴重です。またまたスクープで、東電の悪事を暴露した「赤旗」にあっぱれ!