日本共産党の田村智子議員は11日、参院予算委員会で、政府が検討している「子ども・子育て新システム」について、「さらなる規制緩和で保育の質の低下をもたらしかねない」と主張し、計画の中止を求めました。

田村議員は、「新システム」について、保育施設を増やすと称して株式会社など多様な事業者を参入させるものだと指摘。「保育経験もない、利益をあげることを目的にした事業者が次々に参入すれば、子どもの命にかかわる事態がおきるのではないか。参入のハードルを低くすべきではない」と主張しました。

細川律夫厚労相は、「保育所の量的な拡大をはかる。質の確保は客観的な基準を定める」と答えるにとどまりました。田村議員は、昨年4月、生後11ヶ月の乳児が死亜亡した川崎市の認可外保育所が、10年前にも死亡事故を起こしており、市が何度も立ち入り調査をしながら事業停止などの対処を行わなかった事例を紹介。「今でも適正な指導、監督ができていないのが現状だ」と指摘しました。

与謝野薫少子化担当相は、指定制度を導入して質を確保する」などと答弁。田村議員は「今の認可から指定になれば、いろいろな事業者が入ってくる。問題のある事業者が1つ2つ入っていたなど絶対許されない」と強調しました。

菅直人首相は、「(死亡事故は)許されない」としつつ「一概に新たな参入はだめだとはいえない」などと答弁。田村議員は「政府がやってきたのは、定員を超えて入所させ、面積基準を緩めることだ」だ。そのうえ公立保育所への直接の運営費補助をやめる一方で、株式会社の参入を拡大させようとしている」と批判。「保育の規制緩和は絶対にやるべきではない。新システムは撤回すべきだ」と主張しました。

田村議員の指摘はズバリです。新システムが、子どもの命を守るというハードルまでなくすことになると危惧します。自民党以上に自民党的な民主党政権の実態がまた1つ、明らかになりました。私は、以前ドイツの保育園を訪問したことがありますが、子どもと保育士の人数が同じで、広々とした施設でした。もっと、子どもの立場に立って考えてほしいですね。短い時間で、いい質問をしてくれた田村議員にあっぱれ!最後まで自民党的な答弁しかできなかった菅首相に喝っ!