日本共産党の志位和夫委員長が7日、長崎市で開かれた原水爆禁止世界大会で行ったあいさつは下記の通りです。


内外の友人のみなさん、こんにちは。日本共産党の志位和夫です。原水爆禁止世界大会に参加されているみなさんに、連帯のごあいさつをする機械をあたえていただき、心から感謝いたします。

友人のみなさん、この1年間は、昨年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議で全会一致で確認された「核兵器のない世界」への決意を、具体的行動へと発展させた1年でした。私は、この1年の3つの変化に注目したいと思います。

1つは、昨年12月の国連総会で、マレーシアなどが提案した核兵器禁止条約の交渉の開始を求める決議への賛成が、史上最高の133カ国に達したということです。日本政府が、この決議への棄権を続けていることは恥ずかしいことですね。私は、その態度をあらため、被爆国の政府にふさわしい行動をとることを強く求めます。2つは、2020年までに核兵器廃絶を求めている平和市長会議への参加自治体が、この1年間で大きく増え、151カ国、4892都市へと拡大していることです。そして3つは、今年2月に、「核兵器禁止条約の交渉開始」を求める国際署名が力強く開始されたことです。

私は、国連、各国政府、自治体、草の根のNGOの共同の力を強め、発展させることこそ、「核兵器のない世界」を実現する最大の保障だと考えます。

この世界大会に、藩基文(パン・ギムン)国連事務総長がメッセージを寄せ、ドゥアルテ事務総長代理が参加され、エジプト、メキシコ、ベネズエラの大使が参加され、広島・長崎の市長が参加され、そして日本と世界から多くの草の根のNGOが参加されている。私は、この共同の力こそ、「核兵器のない世界」をつくる力だと確信します。私たちの党もその一翼を担って全力でがんばる決意を申し上げるものです。

友人のみなさん。史上最悪規模の原発事故を目の当たりにして、「原発ゼロの日本」をめざす運動が大きく広がりつつあります。「核兵器のない世界」をめざす運動と、「原発ゼロの日本」をめざす運動は、どういう関係にあるでしょうか。原水爆禁止世界大会は、核兵器廃絶・被爆者援護を一致点として、内外の共同を大きく広げ、発展してきました。一方、「原発ゼロの日本」をめざす運動は、「原発をなくす」という一点での広大な国民的共同をめざす運動となっています。2つの運動は一致点がそれぞれです。同時に、この2つの運動には、共鳴しあう大きな接点があります。それは、どんな形であれ、「核」による被害者を出してはならないということです。

2つの運動が、それぞれの一致点を大切にして運動を発展させながら、「核による被害者を出してはならないという点で大きく連帯する。これが大切ではないでしょうか。

この点で国際会議の宣言が、「核兵器のない世界」をめざす具体的行動を中心にすえながら、原発からの撤退をめざす運動への「連帯」を表明していることは、たいへんに重要だと考えます。

「核兵器のない世界」をめざし、核兵器禁止条約の交渉を一日も早く開始させるために、ともに力をあわせようではありませんか。がんばりましょう。

この志位さんの2つの運動の関係についての解明は、多くの人々の賛同を得られると確信します。個別の運動の発展とともに、核の被害者をださせないという点での連携を積極的にとらえて、「核漬け」になっている異常な国を変えるために力をあわせましょう。