原発に関するシンポジウムや住民説明会に、電力会社が社員や関連会社などの関係者を動員した問題で、中国電力で動員に関与していた当時の副社長が、経済産業省の天下りOBだったことが、「しんぶん赤旗」の調べでわかりました。

この経産省のOBあ、末廣恵雄氏(68)。中国電力の有価証券報告書などによると、1965年通産省(現経産相)に入省。93年6月、資源エネルギー庁長官官房審議官を退官、住友海上火災保険の顧問を経て、95年6月、中国電力に理事・原子力安全管理チーム部長として入社しました。その後、取締役・原子力本部原子力計画部長などを歴任し、2006年から副社長・電源事業本部長を09年6月まで努めました。

末廣氏が電源事業本部長として関与していたのは、原子力安全・保安院が09年1月17日、松江市で開いた「島根原発2号機でのプルサーマル計画および耐震安全性に関する住民説明会」。

中国電力が、資源エネルギー庁の指示にもとづいて調査した報告書によると、同説明会に向け、電源事業本部長の了承のもと、08年12月上旬から09年1月9日までの間、社員(特別管理職)約80人と、グループ企業など26社程度に、説明会への参加を要請。社員30人、グループ企業など約150人の計約180人が説明会に参加しました。

当日の説明会の参加者は361人。ちょうど半分が中国電力の動員組だったことになります。末廣氏の関与によって、公正であるべき住民説明会が、ゆがめられました。

末廣氏は、自民党の政治資金団体、「国民政治協会」に06年~08年に計89万円の献金をしています。また、末廣氏の前に、副社長を務めたのは、元中小企業庁次長、元広島通算局長と、中国電力副社長ポストが、経産省幹部の“指定席”になっていました。

天下りの見返りに自民党に献金。そして、“やらせ”にも関与して出身官庁に恩返しする。-まさに悪政のスキームが国民の見えないところで蠢(うごめ)いていたのです。政官財の悪のトライアングルを解体させなければ、国民の苦しみをなくすことはできません。日本共産党を大きく大きく躍進させましょう。「しんぶん赤旗」のスクープにあっぱれ!!