さいたま市教育委員会は4日、2011年度から市立中学校で使用する歴史と公民の教科書について、自由社版と育鵬社版の教科書を採択せず、全員一致で東京書籍を選びました。

議論では「自由社版がわが国、郷土の偉人を大きくとりあげているのはよい」などの「新しい歴史教科書をつくる会」系の教科書を評価する意見もありましたが、両社版の教科書は「課題設定型の学習には難しい面がある」などの意見が出されました。

自由社版歴史教科書の「年表盗用問題」についても委員から質問が出ましたが、市教委事務局は「自由社が著作権侵害について東京書籍に謝罪したとの報告を受けている。」と答えただけで、採択対象からは除外しませんでした。

傍聴した元立教大学教授の藤田昌士さん(77)は「妥当な結果だ。年表を盗用した自由社版がそもそも採択対象たりうるのか疑問だ」と話しました。

私もいい結果が出てよかったと思います。事前に自由社と育鵬社の教科書を見ましたが、侵略戦争を美化するなど歴史の真実をゆがめている部分があり、心配していました。上田知事が「つくる会」系の人物を教育委員にするなどで緊張した時期もありましたが、今回は社会の常識をふまえた結果になりました。さいたま市の教育委員会にあっぱれ!

今後は、30人学級の実現など子どもの教育環境の改善に努力していただきたいと思います。