日本共産党の紙智子参院議員は1日、参院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原発事故によって放射性物質セシウムに汚染された肉牛について、国の責任で全頭検査を行うとともに、汚染牛買い上げ賠償責任を東電に果たさせるよう求めました。

紙氏は、“セシウム汚染牛が”46都道府県に流通し、深刻な影響を与えていると指摘。「福島原発から100キロ離れた場所で稲わらがセシウムに汚染されていた。生産者のショックは大変なものだ」と指摘。菅首相は「責任を痛感している。出荷制限や検査などしっかりやっていきたい」と答えました。

紙氏は、出荷停止は福島県で7万8200頭、宮城県で9万6100頭、農家数は両県で1万戸に及び、震災前に1キロ2100円だった牛肉が、汚染発覚後は100円にまでなっていると指摘。政府の汚染牛買い上げスキーム(枠組み)では汚染牛の買い上げ、汚染されていない牛肉保管は食肉流通団体が行い、東電が賠償することになっているが、必ず賠償が行われるのかとただしました。

鹿野農水大臣は「責任を果たしていただけるものと確信している」と答弁。ところが東電の西沢社長は、「紛争審査会の答申をふまえ対応する。農水省ともお話している」などと、あいまいな答弁をくり返しました。

紙氏は、「東電と話し合いが決まっていないうちに政府はスキームを発表したのか。これでは食肉流通団体だって受け入れられない」」「事故がなければ起きなかった問題。全面賠償すべきだ」「国が信頼回復のスキームを発表した以上、東電に賠償させると明言させるべきだ」と追求。西沢社長は「要因は原発事故にある。請求されたものはきちんと対応する」と述べ、菅首相は「国としても責任をもたなければならない」と答弁しました。

東電社長の逃げの答弁を許さず、「請求されたものは、きちんと対応する」との答弁を引き出した紙議員のするどい追求はさすがです。短時間の質問時間で、1万戸の農家を救った紙議員にあっぱれ!