「核兵器をなくそう」「原発からの撤退を」を合言葉に広島で開かれていた第57回日本母親大会は31日、分科会やシンポジウムが開かれ、子育ての要求や悩み、助成の権利・地位の向上など47のテーマにわかれ7,500人が学習・交流し幕を閉じました。

「原爆詩」の朗読をライフワークとしてきた女優の吉永小百合さんが31日、日本母親大会に参加して「原爆詩」を朗読しました。吉永さんは「私が広島、原爆に向き合ったのは、21歳のときの映画「愛と死の記録」でした」と語り始めました。ドラマ「夢千代日記」で胎内被ばくした女性を演じた縁で知り合った被爆者の団体から原爆詩を朗読してほしいと頼まれたことなどを語ったあとに、次のように話しました。

「3月11日に大震災があり、福島の原発で大変な事故がありました。原子力の平和利用という言葉がありましたが、そのことを私はあいまいに受、け止めていたと思いました。高速増殖炉もんじゅは危ないと思い、廃炉の運動にかかわりました。原子力発電のことをもっと知っていればと思います。核兵器はなくなってほしい。日本のような地震の多い国では原発はなくなってほしいと思ってほしいと思っております。東北からいらした方もいると思います。いろんな思いを込めて、祈りながら」

吉永小百合さんは、峠三吉の「序」をはじめ6編を朗読しました。そして、最後に、地元の基町小学校の児童や母親大会記念の合唱団らと「折り鶴」を合唱しました。

私と吉永小百合さんは、出生が2週間違いです。小百合さんは東京大空襲で、私は名古屋の大空襲で九死に一生を得たいわば同志です。彼女は、国民的な女優としての立場にありながらえも、「戦争」「核兵器」と向き合い、そして「原発」とも向き合って、勇気をもって発言しています。母親大会に参加して、多くの女性の後押しをしてくれた小百合さんにあっぱれ!