核兵器廃絶をめざす「世界平和アピール7人委員会」は11日、東日本大震災から4ヶ月にあたり、東京都千代田区の日本外国特派員協会で区社会権し、「原発に未来はない。原発のないない世界を考え、IAEA(国際原子力機関)の役割強化を訴える」と題したアピールを発表しました。

アピールは、福島原発事故が、被災者の「平和に生存する権利」を侵害している現実をあげ、「原発は将来の安定した安全なエネルギー源と位置づけることはできない」と指摘。「全世界の原子力発電所すべての廃止」を決定すべきだとの考えを述べたうえで、日本における廃止の順序や方法を提案しています。

小沼通二事務局長は、「原発事故は、世界中どこでも起こりうる。事故で癒えに帰れない、家族もばらばらになるなどという事態を繰り返してはならない」と、アピールにこめた思いを語りました。

世界平和アピール7人委員会は、日本国憲法の平和主義の立場から、知識人7人が意見表明を行う会として、湯川秀樹氏、平塚らいてう氏らが参加し1955年に発足。現在は、武者小路公秀(大阪経済法科大学教授)、土山秀夫(長崎大学名誉教授)、おおいし芳野(写真家)、池田香代子(ドイツ文学翻訳家)、小沼通二(慶応大学名誉大学)、池内了(総合研究大学院大学理事)、辻井喬(詩人・作家)の各氏が委員となっています。

原爆と原発は「一卵性の双生児」です。人類が発見した「火と原子力」ですが、原子力はいまだ未完成であり、その派生物である放射能は未来の人類の生存まで脅かすことになります。今回、「7人委員会」が大所高所から見識ある見解を示したことは大変意義あることです。きっと未来の人類は「原爆と原発を開発した愚かな20世紀の人間だが、21世紀にはその2つとも廃絶した」と振り返ってくれることでしょう。そのために、力をあわせましょう。「7人委員会」にあっぱれ!