首都圏では福島第1原発から放出され、風で運ばれてきた放射性物質が3月20日からの雨で、まだらに降り積もりました。文部科学省の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(スピーディ)の予測結果でも、当時放射性物質を含む雲が首都圏になびいていました。自治体独自測定で、数値にばらつきがあります。測定器の種類や機種が違うと線量は2倍程度ことなります。測定の高さが地上1㍍か地表面か、測定方向が前向きか下向きかでも値が違います。

図る高さを同じにし、どの機種でどの向きかなど、条件を同じにして測定し、公表して利用できるようにすれば、どの地点が相対的に高いのかの汚染マップができます。可能なら機種ごとで汚染マップを作り、スピーディのデータと突き合わせれば、おおまかな傾向が把握できます。

ホットスポットの地点では取り除くというのが対策の基本です。例えば家庭菜園なら表土を取り除き、庭の隅に埋めます。アスファルトやコンクリートなら水で洗い流すことが有効です。首都圏の放射線量は、現在、これを苦にして非難するレベルではありません。しかし、子どもの健康への懸念をもつ人がいる以上、自治体や国が細かな測定とセットで、いつでも検診が受けられるなどの対策を打ち出すと安心につながると思います。

※7月10日付「しんぶん赤旗」日曜版に掲載された記事です。ご参考にしてください。