ローマ法王ベネディクト16世は1日、当地で開催されている国連食料農業機関(FAO)総会で、「貧困、低開発、機がはしばしば、社会的な振る舞いや経済活動に表れる利己的な考えの結果だ」と指摘し、すべての人に生存権を保障するために食料市場での投機に対するいっそうの規制を求めました。

法王は、「食料が投機の対象となったり、金融市場の動向と結びついたりすることを、どうして無視できるだろうか。金融市場には明確なルールや同義的な原則が欠けている。それは利益の追求だけに基づいているようだ」と問いかけました。

FAOは今年初め、昨年12月の世界の食料価格指数が、(統計を開始した1990年1月以来)過去最高を記録したと発表しました。

“投機”は、世界中から有り余ったマネーをかき集め、ガソリンや食料を買い占めては価格を吊り上げて暴利を稼いでいるといわれる。1000兆円とも言われるマネーの中には、日本の金融資本からの出費もあるそうだ。まともな商売をやるよりも利ざやを稼げるかもしれないが、市場を混乱させ、健全な経済を乱すものです。しかし、150年も前にカール・マルクスは「腐朽した資本主義」の姿として、この投機を見抜いていました。いま、「資本論」の一読をお薦めします。