日本共産党の不破哲三社会科学研究所所長はこのほど、中国共産党創立90周年をテーマとした新華社通信のインタビューに答えました。その全文を紹介します。=

中国共産党が、波乱と激動の歴史を経て、中国社会の大きな発展のなかで創立90周年の記念日を迎えることに、まず心からのお祝いの言葉を送ります。また、この機会に今回の東日本大震災に際し、中国の国民と党のみなさんが日本国民に温かい支援と連帯の手を差し伸べてくださったことに、熱い感謝の気持ちを申し上げるものです。

日本共産党は、中国から1年遅く1922年7月に創立した党ですが、中国共産党とのあいだでは、日本軍国主義の戦争に共同して反対したことをはじめ、長い友好と連帯の歴史を持っています。不幸にも、1960年代の「文化大革命」のなかで敵対関係が持ち込まれ、両党関係の長い断絶の時期が生まれました。

この問題は1998年、江沢民同志、胡錦濤同志が指導部にあった時期に解決され、両党の友好と連帯の関係がより発展した内容で再建されましたが、この道は、中国共産党が、過去の歴史のなかで先輩たちが犯した干渉の誤りについて、「真剣な総括と是正」の態度を表明したことによって開かれたものでした。私は、その時のあなた方の態度に、自分たちの歴史にかかわる問題であっても、覇権主義の誤りは断固として拒否するという社会主義の生きた精神を実感して、強い感動を覚えたものでした。

それから13年、両党の間では多くの政治会談が交わされ、2005年以後は、たがいに科学的社会主義・マルクス主義を指導理論とする党としての理論交流もくわわって、両党関係が豊かで充実した発展を遂げてきたことを、たいへんうれしく思っています。

中国の現状と今後について言えば、市場経済を通じて社会主義の発展をめざすという30年来の路線のもとで、あなたがたが成し遂げてきた中国社会の発展は、たいへん目覚しいもので、それは、21世紀の世界経済と世界政治の構造を変化させる、1つのきわめて大きな推進力となっています。あなたがたが踏み出したこの道は、世界ではまだどの国も歩き通したことのない道です。それだけに、その前途には解決すべき多くの問題や困難にぶつかることが予想されますが、私は、あなたがたがどんな問題でも、社会主義の精神と英知をもって取り組み前進することを希望するものです。

私がいまとくに注目しているのは、21世紀が、資本主義体制にとって、その存続の資格および能力が問われる世紀になるとともに、社会主義をめざす国ぐににとっても、社会主意が本当に人類の未来を担いうる体制であるかどうか、その資格および能力が問われる世紀になるだろう、という問題です。

中国は、経済の発展水準からいってまだ発展途上の段階にあることは確かですが、世界の経済や政治のなかでの比重が大きくなれば、当然、そういう角度からの見方がいよいよ大きくなってくるでしょう。経済政策の上で人民の生活の向上がどれだけ優先的な課題となっているか、国際活動で覇権主義を許さない世界秩序の確立にどれだけ真剣に取り組んでいるか、「人民が主人公」という精神が現実の社会生活、政治生活にどれだけ生きているか、地球温暖化や核兵器廃絶などの人類的な課題の解決にどれだけ積極的な役割を果たすか。ごく具体的にいえば、こういう問題です。

私は、21世紀が、資本主義と社会主義の将来を決める上で、歴史的に重要な世紀となるだろうと見ています。そして、社会主義をめざす国ぐにが、これらの問題で、社会主義の事業の政治的、経済的、そして道義的な優位性を発揮しつつ、社会的な進歩の道を着実に前進することを期待し、2つの党の交流と連帯がそのことに役立つことを願っています。

少し長文ですが、この不破さんのインタビューの内容は、日本の国民にとっても中国の国民にとっても大きな意義を持っていると確信します。ぜひ、ご感想やご意見をお寄せください。