「食料が買占められている」と息子が言うので、急いで近くのジャスコに行った。玄関前で女店員が「停電になった時点で閉店になりますので、ご了承ください」と言う。初めから緊張した買い物になった。


 1階の食料品売り場の様子がいつもと違う。「肉がない」「野菜もない」「バナナもない」「豆腐も納豆もない」「即席めんやパンもない」。まるで食い 荒らしのように、主な生鮮食品や日持ちのいい食品が消えてなくなっている。石油ショックの時のように、トイレットペーパーはそっくり無くなっていた。こん な風景は初めてだ。


 12日の土曜日までは通常の風景だったというから、パニックが起きたのは13日の日曜日だろう。「ガソリンの売り切れ」がさいたま市内の全域に広がったのとほぼ同時刻に「食料パニック」が起こっていたのだ。


 東日本大震災の影響は、人間の深層心理に計り知れない影響を与えているようだ。「パニックになってはいけない」と、この日記を書きすすめていたら、 携帯電話が振動した。「緊急地震速報」の画面を見ると、「長野県で地震発生。強い揺れに備えてください(気象庁)と太い文字が目に焼きついた。その直後に 我が家がゆれた。いつしか、私の心臓も振動しているではないか・・・





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