経済評論家の山崎元氏の著作。
山崎氏は「
王様の耳はロバの耳
」というブログも書いていて、
非常に率直でわかりやすい語り口だが、知的な雰囲気もしっかり
漂わせるという、日本人には少ない好感の持てる評論家として
注目している。
私個人は、
「会社は2年で辞めていい」
に決まっているじゃないか!!!
という意見を持っている。
ただし、この意見について客観的なデータなどで理論武装して
人に語れるレベルになかったので、これを気にちょっと勉強してみようと
手にとってみた。
結論から言うと、元々そうだと思っていたことばかりだったが、
現在の社会情勢と、現在のサラリーマンがおかれている立場、
自分個人のキャリア戦略、など総合的に考えてみても、
やはり「会社は2年で辞めていい」
という思いを強くした。
- 山崎 元
- 会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書 (や-3-1))
心にとめておきたいと思った言葉を書き残しておく。
・35歳を過ぎると、「一般的な部下」の道は狭まるので、
できれば「何かができる人材」でありたい。そのためには
30代の前半に仕事上の実績を作っておく必要がある
という計算になる。一応の人材価値が完成するのは35歳まで
だと考えよう。
・労働者をあまらせておかないと、人件費を抑制できない。
・年齢が上がるほど、単に学歴がいいとか、資格を持っているとか、
英語ができるとかといった属性だけでは、転職できない。目指す仕事に
近い経験と、それに裏打ちされた能力が重要。
->(AGの意見)しかしこれは、収入UPの転職ができない、ということだろう。全く別のキャリアに
目指したりNGOのような組織についたり、40歳で医者になったり、といった特別な
場合は当てはまらないし、人生はそういう波乱万丈の方が面白いと思う
・若い野心家はサラリー階級からボーナス階級への転職を目指すほうが合理的
・若い頃に転職すると、転職先で早く認知されたいという緊張感から仕事の勉強に
力が入って、結果として仕事の勉強の能率が上がることが多い。
->(AGの意見)これはボクも実感している。
・個人が会社に対して強い交渉力を持つ状況とは、(1)有力な顧客を、実質的に個人として持っている。(2)ノウハウなど他人があまり持っていない有用な「何か」を持っている。といった状況のいずれかの場合が多い。
・日本に導入されている成果主義のほとんどは、「成果をだせば、社長より稼げる!」といった陽気な成果主義ではなく、「ちょっとだけ賃金に差をつけて競争させるだけ」の陰気な成果主義、である。
・自分の仕事自体が消えて、その仕事のみに最適化されたスキルがムダになる可能性はある、
ということを認識し、それに対して用意をしておかねばならない。
・仕事のやりがいは、「他人の役に立っているという実感」と、「自分の仕事が進歩・成長している」という実感の二つからなる。
・仕事と価値観の関係は重要だ。顧客にとって価値の乏しいものを売る仕事がつらいとか、知的なチャレンジのない仕事は面白くないとか、それぞれの価値観にそって仕事を選択した方が、幸せなキャリアになる可能性が高い。
・自分の収入と他人の収入は較べてはいけない。
・転職前には、同僚に転職の可能性を匂わせたり退職したいと先輩や同僚に相談するような
「子供っぽい」真似はくれぐれも慎むべき。
・ビジネスパーソンは、時間が経ってもスキルが向上しない場合、年齢を重ねるだけで人材価値が下がるのだ。
・社会人の学校が良いは投資より高級消費である
・週休二日の会社なら、週末のどちらかは何らかの勉強に使うべきだ。
・興味のあるテーマは専門雑誌に載る論文までフォローしておこう。商売上「差」を
直接的に作ることができるのは、このレベルの知識である。
・社会科学系の論文ならSSRN (Social Science Research Network)というホームページで
検索すればかなりの研究成果を読むことが可能だ。
・全く知らない分野のテーマに取り組む場合、初心者向け入門書を十数冊買って、拾い読みすると良い。
・本や論文を読んだら、できるだけアウトプットするように心がけよう。
・スキルは「標準化」してこそ価値がある。自社の手続きや用語に慣れることは重要だが、それを別の会社でやるとどうなるのか、まで踏み込んでスキル獲得をすると、非常に役に立つ。
・自分自身をブランド化することは極めて重要である。
・人材の流動化が進んだ今、自分の評判形成を意識する範囲は、「社内」から「業界」くらいに広げる必要があるだろう。
・外資系での昇進は管理的な仕事が増えて、現場(つまり顧客)から離れて成果を挙げ難くなる
可能性もあるので、昇進を打診されても断ることもオプションの一つである。
・専門雑誌などに記事を寄稿することは、出版社に対して、ある程度の信用を形成する効果がある。
・大人は自分の経験を一般化して押し付けたがるが、その程度のイジメにめげてはいけない。
・同性異性を問わず、社内の友人を信用してはいけない。余計な個人的秘密は同僚にもらすべきでない。
・人間関係では「自分を出すより、相手を知ることが先」と心得よう!これは転職直後の人間関係の作り方でも同様である。
・それぞれの分野で誰もが認めるひとかどの専門家になるために、集中的かつ徹底的努力を投入する10年程度が必要という想定はそう外れてはいないのではなかろうか。
キャリアアドバイスとしては「28歳まに仕事を決め、35歳までに自分のスキルをある程度完成する」 というのが理想だとの主張だが、これには納得いきかねる。この理想を実現するには、これだけ複雑な世の中で28歳までに特定の専門分野を決定する職種の選択眼を持たねばならないことになある。また、その分野で35歳までにスキルを完成するということは、その分野が35歳になっても、まだキャリアプランとして有効である必要がある。28歳で選んだ仕事が35歳にはなくなっていた、なんてことは十分にありうる。
著者の主張の多くは、金融業界における経験をベースにしているので、この辺の主張は別業界に勤める人や、保守的なキャリアプランを望まない人は、聞流して問題ないように思う。
会社は40年勤めるのが当たり前、と思われていた時代もあったが、会社は2年で辞めて良い!
と声高にいっても違和感がない時代となった。
20代・30台のみんな!スキルを磨こう!そしてどんどん転職しよう!
AG, the job hopper.