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結婚前、しかもまだかみさんと同棲する前のことだから、もう15年も前のことかぁ。当時住んでいたのはワンルームのアパートで、家賃は3万2000円でした。当時は給料が少なくてその家賃を払うのにも必至だったなぁ。

そのアパートに住んでいた時に管理人さんの子どもとよく遊んでました。当時小学生だったその子とアパートのとなりの公園でキャッチボールをしたりバッティングの練習をしたり。それが一番の気晴らしでした。

その子としょっちゅう遊んでたので大家さんも凄いよくしてくれて、家賃が払えなさそうな時は待ってくれたし、内緒で2000円を引いて3万円ピッタリにしてくれる時もありました。「次からは3万2000円ね!」って釘を刺されましたけど(苦笑)。

料理も随分とお世話になりました。わざと煮物や味噌汁をたくさんつくって持ってきてくれました。お陰で食費は随分浮いて生活が楽になりました。それでも貯金してる余裕なんかなかったですけどね。

その間に今のかみさんと付き合うようになって、同棲を考えるようになりました。そして新しい仕事を見つけて住み込み&同棲が出来るという場所に引っ越すことになりました。

大家さんは門出を喜んでくれましたが、小学生の大家さんの子は泣いちゃいました。僕もその子との別れは辛かったです。

娘が生まれてすくすく育ち、今小学4年生。ちょうどあの頃の大家さんとこの子どもと同い年になりました。それで色々思い出しちゃったんですよね。「今どうしてるのかなぁ?」とか。今は27歳くらいのはず。結婚して子どもがいるかも。でももしかしたら引きこもってたりして…… と、ネガティブな想像もしちゃいました。それ位の歳だとそういう人もニュースで話題ですからね。

そこで大家さんに連絡をとってみることにしました。10年以上も経ってそんな理由で電話をかけるのはどうかと思いましたけど、気になったら我慢できない性分ゆえ、思い切ってしまいました。

電話に出たのは間違いなく大家さんでした。声で分かります。変わってません。驚いたのは大家さんも僕を覚えていたということ。随分長い間住んでいて子どもとも遊んでくれていたので印象深かったようでした。

そして肝心の子どものことを尋ねたら。なんと仕事で今はインドで働いているんだそうです! いやはやびっくり。小さな少年は今やグローバルな仕事をしているとは。会ったり声を聞いた入りできないのは残念でしたが、凄くうれしかったです。

でも、もっと嬉しかったのは後日のことです。インドからその子が家に電話をかけてきてくれたんです! 「わざわざ思い出してくれてありがとうございます!」ですって。いずれ日本に帰ってきたらキャッチボールでもしようって約束しました。

彼との思い出は色々ですが、よく覚えているのは私のバイクの後ろに乗せて少し遠くまで行ったりしました。
彼は特に夜道が好きで、毎週土曜日だけは夜更かししても良い日らしく、私の愛車であるVロッドで過ごす週末の夜を楽しんでいました。
もちろん私も素直で良い子の彼が好き(危ない意味はありません)で、わが子のようにかわいがった思い出があります。
そんな彼がグローバルに活躍していると思うと、本当にうれしいのです。