業務上の負傷との関連性の深い業務上の負傷に起因する疾病を第1号とし、次いで主として有害因子の種類等に応じて、別表第2号から第7号までが大分類として分類された。
 
この場合において、じん肺症及びじん肺との合併症については、じん肺症が、粉じんへの沈着及びそれに対する肺組織の反応であること、その病態が不可逆性であること等の点で化学物質等による他の呼吸器疾患とは異なること等の理由により独立の大分類(別表第5号)とされた。
 
また、いわゆる「職業がん」については、これが発がんの原因として化学物質のほか物理的因子である電離放射線によるものがあり、さらには特定作業工程従事労働者のがんについては、現在のところその原因を特定の化学物質に帰し難い場合が少なくないこと等の理由により、独立の大分類(別表第7号)とされた。
 
さらに、例示列挙主義を明確にするために、別表の第2号、第3号、第4号、第6号及び第7号の末尾に「その他」の規定(いわゆる包括的救済規定) が設けられ、さらに別表第8号として旧規定第37号と同趣旨の規定が、別表第9号として第1号から第8号までに該当する疾病以外の業務上疾病をとらえるための「その他」の規定(包括的救済規定)がそれぞれ設けられた。
 
なお、単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)による疾病は、これを告示によって定めることとしたが、これは化学物質の数が多いこと、症状・障害が複雑多様であり、それらをできるだけ詳細かつ具体的に規定する必要があるが、別表中に掲げることは技術的に困難であること、科学技術の進歩に応じて労働の場における取扱い物質の種類やは握される疾病の内容が急速に変化することも予想され、この変化に機動的に対処する必要があること等の理由によるものである。