JC Bridge 中国ビジネス進出支援ブログ -12ページ目

JC Bridge 中国ビジネス進出支援ブログ

中国進出コンサルティング(香港・台湾含む)、インバウンドビジネス支援(中華圏)、日中間のクロスボーダーM&A支援、中国法人設立・口座開設支援(香港、台湾含む)、中国法務支援、日中貿易支援、中国語翻訳(中日、英中)及び通訳の手配、中国富裕層囲込サービス

【中国銀聯カード急増を踏まえた、中国人観光客(インバウンド)対策】


中国人民銀行(中央銀行)のデータによると、2012年度の年間累計カード発行数は35億3400万枚となり、そのうち、デビットカード(借記卡、銀聯カード含む)は32億300万枚、クレジットカード(信用卡)は3億3100万枚でした。




カード発行量の急増は、中国人のカード支払意識の向上を示しており、収入増加と支払方法の簡素化に伴い、中国人の消費力はますます増大する傾向にあります。




先日、中国のオンライン決済システムを運営する中国銀聯が2013年春節期間(2月9日~15日)の銀聯カード(銀聯卡)による取引金額を公表し、国内の異なる銀行間の取引金額は2012年の春節期間より43%増加し、海外での取引金額は同比33%増加しました。




銀聯カードは新たな支払手法として中国人観光客の海外消費においても重要な役割を果たしています。2011年2月10日付日本経済新聞の「銀聯カード、取扱高2倍 平均決済日本人の3倍」という記事では、中国の銀聯カードが日本において2010年の一年間で総計480億円決済され、前年度の2倍になったこと、また銀聯カードの平均決済単価は3万円で日本人平均の約3倍であると伝えております。




アメリカの『ワシントン•ポスト』の2013年1月6日の報道によると、2012年度、中国人の海外での消費額は850億ドルで、2012年度のフォーチュン500(2012年)で全米NO1企業に選ばれたエクソン・モービル社の総収入の2倍にも相当する金額でした。




この巨大な消費力に対し、各国とも八方手を尽くして中国人観光客を誘致しようとしており、日本としても銀聯カードの適用を更に拡大し、中国人観光客の日本での消費をより便利にし、増加させることが急務となっています。



中国観光客がよく銀聯カードを使う理由

1、現金持ち出しの制限:中国では、5万元相当以上の人民元或いは外貨の現金を中国から持ち出すことが禁じられている。ところが、中国観光客の消費力の成長につれて5万元の制限額の範囲内では海外での消費に不十分なため、カードの使用が必要となった。




2、安全で便利。多額の現金を見知らぬ海外で持ち歩くのはどうしても物騒だが、カードの場合は、たとえ紛失したとしても即座に停止すれば大きな損害を受けることがない。また外貨兌換の手間もなくなり便利である。




3、手数料が不要。手数料を取らないことは、銀聯カードがVisaやMaster Cardなどよりさらに愛用される主な原因である。




4、銀聯カードはデビットカードなので国内銀行預金残高分の買い物が海外でも可能。システムは消費当日の為替レートに従い、自動的に消費金額を人民元に換算して口座から差引くようにしている。




5、日本のATMで日本円を引き出すことができる。現時点に、銀聯カードによる円現金引出し可能な日系銀行はゆうちょ銀行、セブン銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行などがある。




6、収入の格差が大きく、信用の低い個人に対する与信が困難ため、大多数の中国人はクレジットカードを持てない。それゆえ必然的にキャッシュカードを利用することとなる。




銀聯カードの使用範囲
銀聯カードの取扱ネットワークは現在、全世界の135の国と地域に広がり、銀聯カード取扱加盟店数は1000万店を超え、そのうち海外の加盟店は700万店余りとなっています。




中国人がよく訪れるアジア太平洋地域では銀聯カードの利用が拡大し、香港、マカオ、シンガポールでは基本的にほぼ全ての店をカバーし、台湾及び東南アジア地域の国々では半数以上の店で取扱可能となっています。



問題点
最近の中国観光客の人数の推移は概ね①東北大震災前、②東北大震災後、③島嶼(尖閣諸島)国有化前、④領土紛争後の4つの段階に分けられます。




東北大地震前の数年間、中国人観光客の人数は大した変化はありませんが、少しずつ増える趨勢でした。東北大地震の直後、原発の核放射能による汚染を懸念して中国人観光客の人数が激減し、特に2011年4~6月の期間、中国の各旅行社はほぼ全ての日本観光ツアーを停止しました。




その後、日本政府や観光庁がマルチビザの発給や、ビザ申請手続きの簡素化、航空券と宿泊費の特典など一連の回復促進対策を講じたこともあり、2011年7月以降は原発問題の影響が少ない大阪・京都・神戸など関西を中心とした西日本周遊コースから回復し始め、2012年の春節の前後には中国人観光客の人数はほぼ地震前と同様のレベルまで回復し、再び増加基調に戻りました。




しかし、2012年8月になって「尖閣諸島国有化」が問題とされ、中国人観光客は再度大幅に減少した。2013年の春節期間、中国人観光客の人数は前年同期の2割しかなく、団体客はほぼゼロとなりました。




観光業の挫折は他の関連産業にも多大な影響を及ぼし、一部の航空会社は中日間航空便の減少ないし停止を余儀なくされました。




過去においても中国人観光客が激減することが何回もありましたが、そのいずれも短期間で回復出来たこともあり、現時点の中国人の日本旅行拒否も、近い将来、解決する可能性が高いと思われます。




むしろ短期的な変動に捉われず、今の時期をいずれ復活する中国人観光客を見据えた準備期間として対処し、長期的な視野で中国人観光客が何を望んでいるか、しっかり考察して準備しておく必要があると思われます。





中国人観光客獲得の要点と今後の展望


観光庁の統計データによると、2011年度の外国人観光客のうち、中国大陸から来たものは104万人で、一位の韓国より少し少ないものの、その旅行消費額は1964億円(1人当りの消費額は18.8万円)と韓国を抜いて一位であり、外国人観光客の消費総額の約四分の一を占めており、その強い消費力により、中国人観光客の重要度が改めて認識される結果となっております。




中国人の訪日旅行消費を促進するためには、以下の諸点に注意を払う必要があります。



1、訪日のタイミング
中国人の訪日旅行者数の推移をみると、概ね旧正月の連休(1月後半~2月初旬)、桜のお花見シーズン(3月後半~4月初旬)、夏休み(7月下旬~8月末)、国慶節(10月初旬)の4つのピーク期間があり、そのうち春節と国慶節の休暇期間(7日間)が一番長く、中国人の海外旅行はほとんどこの期間に集中しています。




欧米に行く旅程の往復時間が長い事もあり、日本や東南アジア諸国は中国人観光客にとって最優先の旅行目的地となっています。この旬の期間をしっかりと把握し、事前に中国人観光客を対象とする販促や宣伝の活動をしっかりやれば、想像以上の効果を得ることが可能です。



2、新景勝地、新ツアーの充実
東京、大阪、京都などの大都会の観光事業を引き続き推進すると共に、北海道や沖縄など、グルメ、温泉、そして美しい自然景観を持っているような景勝地を開発し、各地の自然資源を活用してスキー、スキューバ・ダイビング、ゴルフ等の特色観光項目を実施し、そしてツアーの宣伝にウエディング式典や新婚旅行などの新しいエレメントを加え、観光者の多様なニーズを満たすことも注目度を高める効果的手段となるでしょう。



3、ショッピング
買い物は観光客の海外における最も直接的な消費行為であり、観光客のショッピング意欲を高め、良好な販売実績を実現するには、中国観光客の消費習慣や好きな商品をよく把握することが重要です。




中国観光客がよく買うお土産は、以前は日本茶や美容パック、男性用シェーバー、化粧品、炊飯器、カメラ等でしたが、ヨドバシカメラ社の最新のアンケート調査によると、近年は健康食品、服飾、雑貨、粉ミルクなど、高級嗜好品から日常生活用品に至るまで多種多様に幅が広がっています。




国産商品の品質問題に悩まされる中国観光客は「made in Japan」に対して格別の信頼感があり、「肌に触れる物、口にする物は日本製が安心」、「日本で買えば、偽物をつかまされる心配がない」という消費者心理を普遍的に持っています。




このような消費者心理を踏まえ、中国観光客の好む商品をより豊富に揃える必要があります。



4、飲食
以前は、中国人は日本式のお弁当などの冷たい料理があまり好きではなく、旅行先でも中華料理等の温かい料理しか食べないとよく思われていました。




しかし、実はここ数年に中国の大都市に寿司、ラーメンをはじめ、てんぷら、居酒屋など、和食を楽しめる店が数多く経営され、日本料理が好きな中国人もどんどん増えています。「日本で本場の味、新鮮な食材が味わえれば、若干値段が高くても食べてみたい」と思う中国観光客が沢山おり、日本料理を食べることが訪日旅行の主要な楽しみとなっています。



5、中国人向けサービスの充実
ホテル、レストラン、デパート、空港の免税店等に中国語堪能なスタッフ、中国語看板及び銀聯カードの関連施設を配置することは重要です。




お隣の韓国では中国観光客を誘致するために、各免税店や中国人がよく訪れるデパート等のほぼ全てで銀聯カードのPOS端末を設置し、中国人観光客に利便性を提供すると同時に、中国人向けにバーゲンやクーポン券、プレゼント贈呈などの販促活動を催しています。




整備された利用環境と多様なキャンペーンにより、韓国は銀聯カード取扱高の倍増を実現しています。韓国と比べて日本の観光地はまだまだ中国人観光客受け入れの品質を改善する余地があると思われます。




6、宣伝の強化と業種間の協力
中国で強い影響力を有する媒体(ウェイボー等)を活用し、日本観光の感想や見聞をひろめ、また人気商品や旅行の関連情報等をリアルタイムに更新することも効果的宣伝手法となります。




その他、業種間、企業間の提携協力も重要なポイントです。人気ショップであるドンキホーテはホテルと提携し、そのエリアマップと、店舗で使う個人客用の優待カードをセットにして、ホテルのフロントで中国人観光者に配布しました。




優待カードは、来店する観光者に対する特典だけでなく、その消費金額に応じて、カードを配布したホテルへの恩恵も用意しています。シンプルな仕掛けではありますが、ドンキホーテ、宿泊施設、飲食店、旅行者の全員に何らかのメリットがあります。




このような業種を越えた提携は大きな効用を発揮し、ドン・キホーテの売上げが大幅に伸びる結果となりました。




観光局の統計データによると、2012年の一年間に訪日した中国人観光客は143万人あり、前年と比べて37.1%増加しています。領土問題の影響で、下半期から観光客の人数が減少したものの、総合的にみると史上最高となる2010年度(141万人)を超えました。




現在は厳しい状況ですが、中国は今後も安定した経済成長が見込まれ、日本を含む海外への旅行が更に活発になると予想され、今後の見通しについて過度に悲観的に考える必要はないと思われます。