楽天がEdyを展開しているビットワレットを子会社化するようです。
■ 関連サイト http://www.edy.jp/press/2009/pdf/20091105.pdf
具体的な展開についてはこれからだと思いますが、このニュースは個人的にこれからかなりいろんなことが起こりそうな予感がしてなりません。
これまで楽天はネット世界の商人でしたが、リアル店舗を中心に利用されているEdyを配下に置くことでそのマーケットが広がることが予想されます。仮に楽天ポイントがEdyに等価交換できるようにでもなればネット通貨である楽天ポイントがリアル世界で使えるようになります。
当然Edyチャージするクレジットカードも楽天カードが使えるようになるでしょうし、Edyチャージにカードの利用ポイントを付けることも他のカード会社に比べて容易になるでしょうから楽天カードの会員増も見込めます。
楽天は、約10年かけて赤字を出しながらもせっせと電子マネーを普及させる為に設備投資を行ってきたビットワレットの実績を「資本提携」という紙切れの契約書1つで手に入れられるわけですから、願い叶ったりなのではないかと思います。
もちろん連結子会社化することになるので楽天は甚大な累損を抱えることになるわけですが、今の楽天の事業規模や顧客範囲から考えれば数年で盛り返すことも考えられます。
さらに、これまでビットワレットの主要株主であったソニーやANAとの関係も引き続き継続するようですのでビットワレットを介した大型企業との提携の形が見えてきます。
おそらくは楽天が約2年前にEdy利用で楽天ポイントが貯まるケータイアプリを開発したのも最終的にはビットワレットを手に入れることを考えたステップだったのかもしれません。
他の電子マネー運営会社はビットワレットの苦労を教訓に採算の取れる事業展開をしてきているはずですから楽天にしてみれば一番手に入れやすかった電子マネー会社だったと思います。
採算が取れていないとはいえ利用者、決済金額および利用できる場所は他の電子マネーより突出しているわけですからSuicaやWAONに取って代わられた話題性は再度Edyに舞い戻るかもしれません。
カード業界の話というわけでなく、久々に企業のM&Aを目の当たりにした気がします。
個人的には楽天という会社に対する信頼度は低いのですが、ポイントの汎用性がよりよくなる分には問題ありませんので今後の動きに注目したいと思います。