石破首相、所信表明の中で具体的な策は? 

昨日の石破首相の所信表明演説(全文)が新聞に記載されていました。この演説内容をじっくりと読みました。演説の大半は、漠然としており、誰もが賛同するけれど、具体策がなく、従来とどこが違うのかわからない、単なる理想論あるいは希望を述べただけのものでした。施政方針ではなく、所信表明なので、抽象的な内容となるのはやむを得ないのかもしれません。所信表明演説の全文は以下に掲載されています。

 

 

 

その中で、少し特徴的で具体的、気になった部分を取り出してまとめました。

 

まず、「日本を守る」の外交・安全保障に関して、自衛官の処遇について述べられています。

自衛官の生活、勤務環境や処遇改善に向けて、関係閣僚会議を設置し、成果を出す。

 

少子化対策として、短時間勤務活用や生活時間睡眠時間を確保する勤務間インターバル制度の導入促進など働き方改革を推進する。

 

経済・財政の中で、「幸福度・満足度」の指標を策定共有し、一人ひとりが豊かで幸せな社会構築を目指す。

 

「国民を守る」の中で、2020年代に最低賃金を全国平均1500円へ引き上げるべく努力する。

 

イノベーション支援として、政府のAI政策の司令塔機能を強化する。

 

防災対策として、内閣府防災担当の機能を強化し、防災庁の設置を準備する。避難所のあり方を見直し、発災後速やかにトイレ、キッチンカー、ベッド、風呂を配備しうる官民連携体制を構築する。

 

「地方を守る」の中で、地方創生交付金の予算を倍増する。「新しい地方経済・生活環境創生本部」を創設し、今後10年間集中取組する基本構想を策定する。

 

「若者・女性の機会を守る」の中で、男女間の賃金格差の是正のため、制度改革を実現する。また、自殺総合対策を推進する。

 

以上です。

 

演説では、外交安全保障に関して長々と述べられていますが、内容は従来の方針と大差ないように感じました。防災に関しては、かなり具体的で、力を入れる部分になるだろうと感じます。地方創生についても、予算を増やすとともに、新しい地方創生本部を作って基本構想をまとめるとのことで、今後具体的なペーパーが出てくると思われます。

 

今般の所信表明では、石破カラーが出たのは防災と地方創生くらいで、それ以外は従来路線を継続する、ということしかわかりませんでした。ただ、防災に関しては期待したいと思います。現状、災害が生じたときに避難する場所は学校の体育館しかなくて、そこで雑魚寝するしか方法がない、という貧相な状況になっています。防災庁を設置し、もう少し改善して欲しいと願いますね。

 

地方創生に関しては、難しいテーマであり、掛け声だけで何も変えられないという状況が続いてきました。新しい地方創生本部の設置と基本構想がどのようなものになるのか、従来とは何が異なるのか、注視していきたいと思います。