死ぬまでに読みたいリスト

岩波文庫が作成した「100冊の本」リストをご存知でしょうか。1961年と1974年に発表されています。学生時代、このリストを眺めながら、どれも難しそうな本だと思いつつも、いつかはこういった本を読破したいと思ったものでした。こういう本を読むことが教養人の嗜みだ、などと考えていました。読んだからといって教養が身につくかどうか不明ですが、このような古典を読むことは教養人としての必要条件だと思っていました。

 

とはいっても、敷居の高い本が並んでいたので、そのうち読もう、などと先延ばしにしていました。40代になって、このままではいつまで経っても読破などできないと思い、意を決してリストにある中で読みやすそうな本から取り組んでみることにしました。それから10年ほどが経過し、リストの本を半分くらい読んだところで、満足したせいか、徐々に古典から遠ざかりました。

 

60歳を過ぎて、人生の折り返し地点はとっくに過ぎ去り、そろそろ終点を意識するようになりました。本などいつでも読めると思っていましたが、老眼で視力は落ちてくるし、いつ認知症や重い病気になるとも限りません。いつまでも読書を楽しめるとは限らないのです。

 

そこで、死ぬまでに読みたい本のリストを作ってみることにしました。目標を達成するためには、まず目標そのものを明確にする必要があります。自分の人生で、これだけは読んでおきたい、と思える本を書き出してみようと思ったのです。

 

図書館を調べて、名著、名作を解説したような本を何冊か借りてきました。以下のような本です。

・科学名著図鑑(Newton別冊)

・リベラルアーツ(浦久俊彦)

・歴史を知る読書(山内昌之)

・読まずに死ねない哲学名著50冊(平原卓)

上記のような本で紹介されている古典、名著の中で、まだ読んでいない本で、ぜひ読んでみたいと思えた本を書き出してみました。

上記の本の中では、科学名著図鑑が参考になりました。私は経済学部出身で、金融に関する仕事が多かったので、科学分野での名著についてほとんど知りません。紹介されている本で読んだのはごくわずかでした。科学名著図鑑にある中で、特に気になったのは以下の本です。

・星界の報告(ガリレオ・ガリレイ)

・大陸と海洋の起源(アルフレッド・ウェゲナー)

・日本列島の誕生(平朝彦)

・物理学はいかに創られたか(アインシュタイン、レオポルト・インフェルト)

・フェルマーの最終定理(サイモン・シン)

・科学の発見(スティーヴン・ワインバーグ)

・種の起源(ダーウィン)

 

いずれも科学の分野で歴史に残る名著なのだろうと感じますが、どれも読んだことがありません。理系の本はどうしても縁遠い存在になりがちです。意識しないと見過ごしてしまいます。見過ごさないためにも、まずはリストを完成させて、少しずつ読み進めたいと思います。果たして死ぬまでに全て読み終えるでしょうか。