教育現場にDX リアテンダント 

 

前回、学校教育の標準化という側面を批判したブログを書きました。標準化されたシステムと、異なる個性を持つ児童、生徒たちの狭間に立って、学校の現場で苦労されている先生方が大勢居られることかと思います。

 

学校の先生の長時間にわたる労働時間が問題になっていて、先生を希望する若者が減少傾向にあるといった新聞記事も目にします。先生は授業以外にもやるべきことが多すぎて、とても手が回らない状態にあるようです。

 

そのような先生方の負担を多少なりとも減らし、個別指導に役立てるべく、開発されたシステムに、リアテンダントというサービスがあります。これは大日本印刷が開発、提供しているものです。

 

政府が進めているデジタル田園都市国家構想の中で、Digi田甲子園というものを実施しています。これは、

地方公共団体、民間企業・団体など様々な主体がデジタルの力を活用して地域課題の解決等に取り組む事例を幅広く募集し、特に優れたものを内閣総理大臣賞として表彰する取組です。

 

 

このDigi田甲子園、2022年度冬の大会でベスト4になったのが、リアテンダントです。

以下は、リアテンダントを説明した大日本印刷のホームページです。

 

 

見たところ、なかなかよくできています。先生方が行うテストの採点の作業時間をかなり減少させるとともに、採点ミスを減らし、採点の公平性をより容易にするような工夫がされています。

 

さらに、このシステムは児童、生徒のテストのデータをグラフ化することができます。点数の分布棒グラフだけでなく、各生徒の過去の点数の推移、各生徒における、問題の傾向別レーダーチャート、ある生徒はどの問題で間違えたのか、などをクリックするだけで表示してくれるようです。これによって、生徒のテスト結果の個別分析が容易になります。理解に劣る生徒むけ補助テスト等もシステムが作成できるようです。

 

リアテンダントの個別分析を見て、証券会社が提供している株式の分析画面を思い出しました。株式投資の分野では、証券会社が個別株の様々なデータ分析情報を無料で提供してくれます。証券投資業界では、随分以前からグラフ等を用いた個別分析など当たり前に実現していました。それが、ようやく教育現場においても導入されつつあるようです。

 

証券投資業界のシステム化が進んでいるのか、教育現場でのシステム化が遅れているのか、よくわかりません。でも、このような事例を見ると、学校教育の改善余地はまだありそうです。これまで、学校教育という場にビジネスの手法を取り入れるという視点がなかったのかもしれません。

 

別に教育現場だけの問題ではなく、どのような業界であっても、その業界固有の、特有の慣行や慣習などがあり、他の業界から見るとおかしいのではないか、とか、遅れているのではないか、と思える慣習が、いつまでも続けられている。ということは良くあることです。

 

教育現場は、特にそのような傾向が見られる業界かもしれません。だとすると、改善する余地が多く残されている、と考えられます。DX化を推し進めれば、教育現場をより望ましい方向へ変革することが出来るのではないか、そのように感じました。