私も日傘男子(老人)の仲間入り
連日、暑い夏が続いています。テレビでは不要不急の外出を控えましょうなどとアナウンスしています。暑さのせいで熱中症になり、救急車で運ばれる人も増えているそうです。そして、そのかなりの割合は高齢者だそうです。私も高齢者と呼ばれる年齢に近づいてきました。暑さへの対策が必要です。
日中、出かける際、紫外線対策でサングラスをかけ、帽子をかぶって外出しますが、日傘というのは使ったことがありません。テレビ番組等では日傘は暑さ対策として有効であると伝えていますし、妻も日傘があると随分違う、と申しております。その効果を認識していましたが、使ったことはなく、そもそも日傘を所有していませんでした。
日傘というのは女性が使うものだ、というのがこれまでの通念(少なくとも男性にとっては)です。日傘と聞いて思い浮かぶのはモネの描いた「日傘をさす女」。オルセー美術館で見ました。とても好きな絵ですが、あの絵の女性を男性に描き変えたらどんな印象になるだろうか?と考えると、やはり日傘というのは女性が似合う、と思わざるを得ません。
一方で、日傘が暑さ対策に有効ならば、性別を問わず、積極的に利用するべきである、とも考えています。過去の社会通念や男の意地みたいなことに捉われて利用しないのは滑稽だし、この酷暑の中、そのような通念や偏見に拘っている場合ではありません。つまらない意地のせいで救急車に運ばれるようなことにでもなれば、笑い話ではすみません。
このように、日傘については前から気になっていたのですが、買いに行くのが面倒で、先延ばしにしていました。けれど、さすがにこの暑さに耐えかねて、日傘を試してみることにしました。「試す」と書いたのは、世間で暑さ対策に日傘が有効だと言っているが、本当にそれほどの効果があるのだろうか、と疑っているところがありまして、やはり自ら試して効果を検証したい、と思いたち、興味が湧いてきたのです。
日傘をいざ買うとなると、機能面とデザインにもこだわりが出てきます。私は、できるだけ軽くてコンパクトな折りたたみで、遮熱対策、紫外線対策ができていて、雨天にも対応できて、かつ大人の男性がさしてもそれほど違和感のないデザインの傘が欲しいと思いました。そんな日傘あるでしょうか?
こんな時、Google検索で探すことにしており、ネットで調べたところ、上記の条件を満たしていると思われる傘を見つけ、ネットで注文しました。以下の商品です。
昨日届いたので日中、午後2時過ぎの暑い中、この日傘をさして散歩しました。外に出ると、とても暑くて不要不急の散歩などする時間帯ではないことを思い知りましたが、日傘の検証をするためにはやむを得ません。実際に使ってみると、効果はかなり高いと感じました。例えば、日傘を右手で持つと左手の腕から手のひらにかけて、直射日光で焼けつくような暑さを感じましたが、右手は傘の陰になっているので、そのような熱は感じません。日傘の陰であっても気温自体が高いので、空気の暑さからは逃れられませんが、太陽の輻射熱は回避できると感じました。
なんの番組だったか、また誰のコメントか忘れましたが、「今後も温暖化傾向は続くので、気温の上昇傾向は変わらない。従って、Co2を減らすという温暖化対策を実施するとともに、温暖化する気候へどのように順応するか、ということを検討する時期ではないか」といった主張を聞きました。個々人の暑さ対策も重要ですが、慣習や制度、法令や規則の変更等も視野に入れるべきなのかも知れません。例えば、現在甲子園球場で熱戦が繰り広げられている高校野球、8月に実施することが本当に望ましいのでしょうか。あるいは、屋外で働く人への健康を考慮し、作業時間帯を変更する(作業は朝と夕方のみとして夏季の昼の労働を禁止するとか、朝と夕方の2交代にするとか)といったことも検討していかないと、このままでは犠牲が増えるばかりです。
私の日傘使用などは些細な事ですが、気候変動に対する取り組みとして、できることから変えていく、その一歩として考えています。世の男性、特に高齢の男性は、過去の社会通念に縛られて、(本当は高齢者こそ日傘に頼る必要があるのに)日傘をさすことを躊躇している、そういったことはないでしょうか?「男が日傘を使う」些細な行動ですが、そのような小さな変化を積み重ねていくことが、過去の慣習の縛りから解放されることへと繋がるのではないでしょうか。