資源エネルギー庁のホームページを見ていると、興味深いデータが多くて面白い。今日は太陽光発電に注目して調べてみた。まず、昨年11月に作成された2019年度エネルギー需給実績のレポートを見ると、家庭部門の一人当たりエネルギー消費量は2005年から2019年にかけて減少傾向にある。

 

 17.2GJ → 14.3GJ  ▲16.9%の減少

 

次に太陽光発電による発電電力量を見ると大きく増加している。

    35(2010) 230(2014) 551(2017) 690(2019)

                                            単位は億kwh

 

増加傾向ではあるが、2019年の全発電電力量は10277であり、太陽光発電のシェアは6.7%である。これを10kw未満(家庭)と10kw以上(事業用)に分けて過去の新規認定分の認定容量の推移を調べると、

   家庭(10kw未満) 事業用(10kw以上)単位:百万kw

2014      2.9                         66

2017      5.3                         66.3

2019      6.5                            65.3

2020      7.3                         67.1   

 

となっていて、事業用は今後増えそうにないが、家庭での発電はかなりの増加傾向にある。2020年6月時点の家庭部門の件数は約150万件だった。

国土交通省の住宅に関する資料で確認すると、全国の戸建て持家の件数は2661万戸となっている。比率を計算すると、

150➗2661=5.6% 

今のところ、全体の5.6%が太陽光発電を導入しているようだ。

では、今後個人宅でのソーラーパネル導入が増加し、10倍に増えたらどうなるだろうか。概算で試算してみると、今の家庭での年間発電量がおよそ82億kwで、10倍だと820億kw、全体が不変なら820➗10277=約8% これに事業用608を加えると (820+608)➗10277=13.9% となる。もっと増える可能性もあるが、常識的にはこれくらいが限界だろうか。

 これまでの延長線上で考えると、家庭向けソーラーパネルをどんどん設置しても太陽光発電だけで全ての化石燃料発電部分を代替することは無理そうだ。

 

 次は別の観点で考えてみよう。