つい先日からSDGsへの関心が急に出てきた。先月借りた本を近所の図書館に返却し、次は何を借りようかと見て回っていたところ、日経文庫の「SDGs入門」という新書が目に入ってきた。新書を手に取るのは随分と久しぶりだ。

 SDGsの事は会社に勤めていた時本社からメールされてきて、知ってはいたが、文書の分量が多く、直接仕事に関係ない部分も多いので、ざっと目を通しただけでそのまま忘れていた。それが何故今気になったのか。

 私は30歳ころから環境問題に関心を持ち始め、一時期、環境問題に関する書籍を読み漁り、NGO活動などへも少し関わった事があるものの、転勤や人事異動などで忙しくなり、直接活動に携わることはなかった。それでも関心だけは持ち続けていたのだが。

 いわゆる環境問題が温室効果ガス削減といった直接的な「環境問題」だけにフォーカスにしてもうまく解決できないだろう、ということは何となく理解していた。社会の大きな問題である、貧困、紛争、様々な次元における格差、人権問題、ジェンダーといった世界の各地で生じている多くの深刻な問題は、全てが複雑に絡み合っており、一つ一つを単独で取り出して解決しようとしてもすぐに行き詰まる。

 何か一つの問題に関心を持って(私の場合は環境問題)調べていくと、必ずまた別の問題(貧困、格差の問題など)に行きあたる。あまりにも多くの要因が関係しているのでとても全て把握しきれない。このような状態、全体の状況をうまく整理してくれたのがSDGsである。そう考えてSDGsについてよく調べることにした。

 まずSDGsについて記載されている原文をあたってみることにした。それは2030 Agendaに記載されている。原文は英語なので、英語のオリジナルを印刷し、読み始めたところである。せっかく英語を勉強してきたのだからそれを役立てようと思った次第だ。もちろん日本語の文章も用意されており、オリジナルを読んで解釈に迷った時は日本語の文を見て確認している。

 まだ3ページしか読んでないが、じっくり読むと英語の学習という観点でも色々と勉強になる。中でも前文(Preamble)は感動ものである。私が特に気に入った文章はというと、

 

 As we embark on this collective journey, we pledge that no one will be left behind.

 

ここだけ抜き出してもわかりにくいが、重要な理念だと思う。ひょっとすると、2030Agendaの文書は人類の歴史に大きな足跡を残した偉大な文書として後々までも読み継がれていくのかもしれない。これから、じっくりと味わいながら読み進めていきたい。