文法を学び、単語を覚えて発音を練習することが外国語習得への王道だと思うが、スペイン語の学習では、これらとは別に、Duolingoというアプリを活用している。

 このアプリは外国語学習アプリとして世界中で広く使用されているらしい。このアプリは文法中心の学習方法とは異なるアプローチを取っている。文法的な説明はほとんどなく、ひたすら問題を解く形で学習が進む。スペイン語は日本語対応がされていないので、英語で学ぶ事になる。短い文章を英語からスペイン語へ、あるいはスペイン語から英語へ作文する問題が主である。正解するとその旨の表示が出るが、間違えると正しい答えが示される。文法的な説明はなく、ただ正解が示されるだけである。間違ってもその理由は示されない。

 このアプリが良いと思う理由は、一つのパターンを何度も繰り返して練習できる事、音声がある事、モチベーションを保つための工夫がある事など。

 楽器の練習やスポーツにおいてもパターンを繰り返し練習することは必要かつ効果的だと思うが、スペイン語の場合、特に動詞の活用を覚えるのに有効だと思う。スペイン語の文法は英語と似ている部分も多いので、英文法を知っている人なら理解しやすいと思うが、動詞の活用は誰もが苦労する所だろう。スペイン語の動詞は人称と時制によってそれぞれ変化する。人称は6通り、時制は7通りあるので、合計では6X7=42通り。それに命令法と現在分詞、過去分詞を含めると約50通りに変化する。

 動詞の変化が複雑なのはスペイン語に限ったことではないが、とにかくこれをどうやって覚えるかが問題である。ただ口に出して繰り返すだけではなかなか覚えられない。こんな時、アプリを使って簡単な練習問題をたくさん解いていくという方法は結構有効だ。Duolingoを始めてから10カ月程度経過したが、おかげで基本的な単語や動詞の活用など結構覚えた。

 その言語の概要を把握し体系を学ぶのに文法書は役立つが、読んでいるだけでは受け身の学習になりがちだ。単語の暗記は必要だが文章に使われている事例と一緒に覚えないと用法がわからないし、そもそも単語だけ単独では頭に入らない。テキスト中心だと音声に触れる機会に欠ける。そして何より反復練習が不足する。その点、このアプリは重宝する。簡単な問題を繰り返したくさん解くのに最適である。

 このアプリはいつ開発されたのだろう?おそらくiPhoneが世に出てスマートフォンが普及した頃だと思う。全く便利な世の中になった。語学関連だけでもいろんなアプリが開発されており、探せば他にも役立つアプリは多数あるはず。アプリ以外にもpodcast,Youtube,オンライン英会話など様々なツール、手段が提供されている。これらを活用しない手はない。外国語を学習する際、最新ツールを調べて、その利用・活用を検討すべきだろう。