ブラジルがオランダに負けた。信じられないような試合展開だった。
前半を見終わったとき、オランダはブラジルの敵ではないな、と思った。
ブラジルのサッカーは完璧だった。
でもそこに慢心または油断があったのか。
後半オランダが運よく点を取ってから、ブラジルは狂いだした。
前半と同じチームとは思えない動転ぶり。
後半になり、ブラジルの選手には焦りや恐怖心が漂っているように見えた。
1点取られただけでこれほどプレイに影響するとは。
ブラジルは自滅し、オランダに勝利が転がり込んだ。

実力的には明らかにブラジルのほうが優っていた。
ブラジルには何が欠けていたのか?

この試合を見て、グループリーグのスペイン対スイスの試合を思い起こした。
前半のスペインの技術力は極めて高く、いつでも得点できるように見えた。
しかし、後半にスイスが先に点を取ったことでスペインは焦りだし、
パスがつながらなくなり、ミスが目立ち始めた。
スペインは必死で攻撃したが0点に終わって負けた。
この敗戦でスペインは目を覚ましたと思う。
ワールドカップは実力があっても簡単に勝てないことに気づいた。

ブラジルはグループリーグで思い通りの試合運びで順調に勝ち進んできたが、
そこに心の隙があったのだと思う。
自分たちの実力は世界レベル、いつもどおりやれば勝てる、
と思い込んでしまったのではないか。
前半はいつも通りの展開で進んでいたが、後半になって、
いつもとは異なる展開(オウンゴールにより同点に追いつかれる)
になったとき、冷静さを失ってしまったようだ。

この試合で、サッカーの怖さ、ワールドカップの難しさを
あらためて見せられたような気がする。
大変な試合だった。

それにしてもブラジルの敗退は残念。決勝までいってほしかった。