SalingerのThe catcher in the Rye (ライ麦畑でつかまえて)を読みました。 読了するのに2ヶ月近くかかりました。非常に人気のある小説なので、期待して読んだのですが、 私の好みではありません。主人公には共感できませんでした。 生意気なことを言っても、単に世間に甘えているだけではないか。と反感を感じ、 文章も汚いし、まるで好感が持てない少年の話。 しかし、強い印象を残す小説であり、無視できない存在感があります。 16歳の多感な少年は、世間に反発を感じ、偽善を感じ、寂しさを感じ、空しさを感じます。 自分が16歳だった頃を思い出すと、私も多感な時期で、世の中の矛盾のようなものを感じ、 自分の将来を憂い、悩んでいた時期でした。 周囲の期待とレールに沿って生きることに疑問を持ちつつも、結局逆らえず、 でも素直に勉強に励むこともせず、どうしていいのかわからずに苦しんでいたように思います。 16歳とは、そのような時期なのでしょうか。 それを考えると、主人公の態度に反感を感じつつも、憎めず、一種の共感をも感じてしまうのです。 多くの人に人気のあるのは、きっと、大人と子供の間に生きる 多感な少年の心をうまく描いているからなんでしょう。 この小説は、主人公の独白を口語のままで文章にしています。 当時のアメリカの若者の言葉遣いがそのまま書かれているということに特徴があります。 翻訳で読むよりも、英語そのままで読んだほうが、はるかにその味わいを感じることができます。 文章は短いし、文法も単純なので、読みやすいのですが、 英語の口語表現をどれだけ感じ取れたのか、自信ありません。 でも、原書でチャレンジする価値があります。 多読をやって良かったと思える本です。