カーテンコールご挨拶、その3、

戸井勝海さん、山路和弘さん、加藤潤一さんのコメントですっ。

 

 

 開演前の1枚。

 左はラッパー姿の岡施孜さん(顔が影になってしまいました…)、中央に小此木麻里さん、

 右は戸井勝海さん。

 

 

小此木麻里さんに続くは、キャストたちにいつも細やかに心を配り、そっと助けて下さっていた戸井勝海さんです。

 

「ノーマン・ワックスマンを演らせていただきました、戸井勝海です(拍手)。

僕、2016年に同じ役を演らせていただいて、それ以来の出戻りなんですけども、6年ぶりにこの『Jersey』の世界に戻って来たら、6年前に見ていた世界とあまりにも違って。もちろん6年前は6年前で良さはあったんですけど、(今回は)ものすごい濃い、深い、何とも言えない人間ドラマと言うんですか、それにすごく圧倒されながら、今日まで舞台に立たせていただきました。

(ノーマンという役は)輝かしい世界に本当に陰をぶち込みにいく役なんですけど、お客さまと一緒にみんなで創り上げていくこの作品は、すごい力を持っていて。

Twitterで僕、1回だけ、"この作品には人を救う力がある"って書いたんですけどー」

と、戸井さん、ここで思うところあって涙し、しばし場内が静寂に包まれます。

中川さんが思わず、

「気持ちが伝わってきます、戸井さんの」

と言葉にすると、場内から温かな拍手がわき上がりました。

 

 

戸井さんは、私ごとで申し訳ない、と前置きした後、

生きる気力の弱っていた身内が、今回どうしても『Jersey Boys』を観たいと言って劇場に来た、一人で外出が出来たのは10年ぶりのことだった、

と語り、

「だから、(作中では)思いっきり陰を差し込んでいる(のに、そんな)僕の家族にも、僕の人生にも、この作品はものすごい光を届けてくれていて、ここにいるお客様もそうだし、スタッフもそうだし、共演者もそうだけど、みなさんの人生に、この作品が、光を差し込んでくれたら、これ以上の幸せはないです。本日は本当にありがとうございました(拍手)」

 

 


次に、中川さんが、

「陰、というとずしっときますね」

と下手方向に視線を向けると、

「呼びましたか?」

と、笑まじりの軽妙な応えが。

 

「デカルロをやらしていただきました、山路和弘です(拍手)」

 

 

「(カンパニーは)藤田さんの作品に馴染んでらっしゃる方が多いんですけど、僕はこの作品、実は知らなかったんですね。で、台本いただいて、どういうものか読むんですけど、歌が多くて歌詞ばっかりで、どういうことだかわかんねぇな、と思って(客席笑)。

しかも稽古が始まりますと、今こんな時期ですから、みんなマスクをして(稽古を)やるんですね。で、歌を歌って、踊って、マスクをしながら、自分の二酸化炭素を吸いながら(客席笑)。もう本当に辛い稽古でしてね。しかも、もっと辛いのは、見ていて、やっぱりこう、今ひとつわからないことが。細かいところが。

ところがこれが、本番始まって、マスク取った途端に、まあ、1日ひとつどころじゃない、ものすごい発見が毎回毎回あってその度に感動させられて、どの人間とっても"こいつらすげぇなぁ" と思うようになりまして。そういう楽しい毎日を過ごさせてもらいました。

ところがまあ、この、最後の最後に来て、ホント、ミヤジ(註:スイング/宮島朋宏さんの愛称)は! こんな、本当に完璧なことをやられると、ホント感動してしまいましてね。(下手の宮島さんの方に向かって)ホント、ミヤジ、ありがとう(と一礼、客席からも拍手)」

 

 大先輩/山路和弘さんからの感謝の辞と一礼に、慌てて座り、手をついて頭を下げる

 スイングの宮島朋宏さん

 

「で、あの、そのミヤジにもっとやらせろっていう、ね、藤岡がいまして(笑)。

あの何年か…十何年前にこう、一緒に芝居やった時に、本当にね、今のこの、この役と同じようなチンピラの役で(笑)。まさか、こんな優しい男になってるとは思わなくて、本当に今回、彼にはすごく感動させられることがいっぱいありました(笑)。

しかも、このBOYSたち、8人とも、"すごいなぁ "と思って。45年もこんなことーこの商売してると、あちこちいろんな現場ありますけど、もうホントにこう、何て言うの、上からこうハンマーで殴られたような感動をさせられたっていう現場で。

また、この現場に帰って来れたら嬉しいな、と思います。どうもありがとうございました(拍手)」

 

 

そして、2020年、帝劇コンサートから参加している加藤潤一さんに、ご挨拶のバトンが渡ります。

 

「ボブ・クルー役を務めさせていただきました、加藤潤一です。本日はありがとうございました(拍手)。

えー、そうですね、一言、ホッとしております。10月の8日から、ですか、この初日が日生劇場で開いて、ここまで50公演。途中から僕、あの、稽古の前、ちょっと前からシングルキャストになって、無事もう一人の分も合わせて走り切ろうっていう覚悟で、稽古と本番、全部やってたんですけども。ホントに、一番最後の ♪ Ahー、って、♪ Ah、Ahー、って曲、終わった瞬間、暗転した瞬間にホッとして、泣きそうになってしまいました。まあ、気を張ってたんだなぁと思ったんですけど。

ホントに今日まで走り切れたのは、2020年の(帝劇コンサートの)時に、次は絶対、ボブ・クルーを、お芝居としてやりたい!と。ホントに、台本読んで、お芝居をこのボブ・クルーとしてやりたい!と、次の機会を虎視眈々と(笑)狙ってたんですけども、今年、2022年、全部、全公演走り切れて、とてもホッとしております。

今日を迎えられたのは、ホントに、前後左右のスタッフさん! 上下左右のスタッフさん!! トンナンシャーペーそして全国津々浦々スタッフさん!!!(笑、客席も笑)、そして舞台上にいる、(休演の)若松啓太も含めてのキャストのみなさま、そして、毎回毎回こうやって観に来られているお客様の、みなさまのおかげでございますっ! ホントに50公演、ありがとうございましたっ!」

 

 

 

加藤さんのご挨拶が終わると、中川さんがおもむろに、

「ここからは、50公演やってない私たちがー」

BOYSは、4人でコソコソと「50公演あったんですけどね」「気持ちはね」などと囁きをかわし、お客様の笑いを誘います。

そして、BOYSのご挨拶ー

というところで、続きは、その4へ。