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木村正志「色とこころの雑記帳」

ファション、商品、環境など色彩全般とこころについて、個人的な忘備録である。

赤い色を見て、ある人はバラを、またある人はりんごを、夕焼けを思い出す。

人それぞれである。


また、「夕焼け」から「故郷」を、「故郷」から「子供の頃の楽しい思い出」へとイメージがつながっていく。

連想にはある観念からほかの観念が引き出されていくという側面がある。

これを心理学では「観念連合」という。


色から来る連想は個人の経験や知識、願望、気分といった内面的要因が大きく関わっており、人によってイメージ(連想)は様々である。


しかし、人は地域や社会に属しており、その中で生活・体験を共有している。

人間を民族や国、歴史、風土等に分けると、集団ごとに特徴的な連想を伴う。

また、生きてきた時代や年齢、性別、職業といった共通点でくくると、連想の内容にも一定の規則性がでてくる。


色による連想は、生理学的に共通する連想もあれば、固有の生活・体験に根ざした連想もある。


人は同じ色を見ても、同じようなイメージ(連想)を持つとは限らない。

人は色によって様々なものを連想したり、ある一定の感情を呼び起こしたりする。


二人の人間が同じ環境で黄色を見たとする。


一般的に、人は黄色から、レモン、信号、バナナなど具体的なものや明朗、快活、躍動といったような象徴的な言葉を連想する。

しかし、Bさんにとって黄色は、「恐怖」を感じる色だとする。

例えば、Bさんが子供の頃、横断歩道で信号が黄色に変わった瞬間、バイクが突っ込んできて大怪我をしたとしよう。その時の記憶がトラウマとなり黄色を見るとそのシーンが目に浮かび、恐ろしさのあまり体が動かなくなってしまう。Bさんにとってその時から「黄色は恐怖の色」となる。


このように人間にとって色は、過去の経験や生きてきた時代や地域と密接な関わりを持っている。


色は普遍性と個別性を同時にもち、人によって感じ方も変わってくるものである。