進学塾の仕事をしていると、自分の中に、2つの種類の姿勢が具わっていることに気づくことがあります。
 
進学塾では「勉強」を教えます。内容は教育です。しかし他方、顧客を獲得しつなぎとめるためのサービス業でもあります。教育業とサービス業、このどちらも兼ね備える形で運営されていきます。もしどちらのウェイトが大きいですか、と問われれば、後者でしょう。「お客様」のニーズに応えることが優先されなければなりません。教育方針を掲げるにしても、それに賛同してくださるお客様を待つよりほかありません。
 
学校は教育を司ります。学校もサービスだという捉え方もあるでしょう。とくに私立経営だと、サービス精神をもたなければ成り立たないという事情があることも分かります。しかし、塾と学校はやはり違います。私立学校が気に入らず辞めることには勇気が必要ですが、塾を辞めるのは簡単です。つまり、塾の顧客へはサービスが拙いと、たちまち顧客が減るわけです。当然教育的な指導をモットーとはしますが、受験合格や成績向上という一定の目的がはっきりしています。塾側の方針はそのためにこそあるという前提がありますから、可能なかぎり生徒一人ひとりの事情に合わせて配慮しようとする思いが働きます。外部の方が時々イメージなさるような、画一的なやり方をしているわけではありません。たいていの場合は、柔軟に対応しています。宿題ができない事情や家庭、また部活の事情などを一人ひとり鑑みます。むしろそのあたり、一般学校よりもずいぶんと融通を利かせているのではないでしょうか。
 
(続く)