真珠湾攻撃と言えば、
ずいぶん昔のようになってしまったが、
私が子どものころには、
昔は昔でも、
手の届かない距離にはなかった。

日本時間では12月8日、
ハワイのパールハーバーを日本軍が襲った。
現地時間では7日の日曜日の朝。
いわば安息日に攻撃が降ってきた。

空襲部隊の総指揮官・淵田美津雄の手記が
一般に読まれやすい形で出版されている。
文庫にも多々ある。

この人は、戦後まもなく信仰をもち、
キリスト教の伝道者となる。
驚くべきことに、アメリカへも8度にわたり伝道に出ている。

これは勇気のあることだった。
真珠湾の犠牲者にとり、淵田はいわば仇である。
しかし、こういう人でなければ、
和解のきっかけを掴む立場にいるものでもなかった。

軍の命令であるとはいえ、
この人のしたことは、直接間接を問わず、
人を殺しまくったことには違いない。
それがどうして福音へとなるのか。

あるいはまた、
私たちは、この人のように
人を殺していないとでもいうのか。

この時期になると、毎年考えることである。
心を見つめるとは、そういうことをいうべきだ。
妄想の「ほんとうの自分」などを探すことではない。
「自分」なるものは、紛れもなく今そこにいる。