プロ野球のゴールデングラブ賞に
遊撃手として今宮健太が選出された。
二年連続であるというのに、今年最年少である。

その横っ飛びのプレイや、
信じられないような素早い送球など、
見せ場を作ってくれている。

その印象からすれば、
ファンの目にゴールデングラブ賞は当然なのだが、
冷静に見る人は、
今宮選手にエラーが多いことを知っている。
遊撃手としてはパ・リーグで一番エラーが多い。
そのため、守備を全うした率も悪いほうである。

しかし、失策が多いから賞に値しないわけではない。
難しい球が来たとする。
飛びついても捕れない場合、それは失策とはならない。
内野安打として記録される。
しかし、捕れるかもしれない球を見送ったとしても、
やはり失策とはならないはずである。
それに果敢に飛びついた場合、
ふだんの処理よりは失策の可能性が高まるであろう。

つまり、できるだけ何でもぶつかろうという気持ちが、
一定の失策につながっているのではないか、ということだ。

消極的で、挑むことをしない場合、
失策は出ない。
だが、積極的に挑んだ場合、失策もある程度生じる。
失策が多いということは、多面、
無理にでも挑んだ場合があるということにもつながるのである。

その意味で、単純に数字だけでは判断できない。
同じ失策でも、本人の拙さの場合と、
挑んだ末の不成功とが混在するからである。

これは、ビジネスでもそうだろう。
何もしないならば失敗はないことになる。
だが、何かをすれば一定数の失敗を受けることになる。
失敗の数が多い社員が仕事ができない、という命題は成立しづらい。

飛びつかなければ打者は出塁する。
飛びついて失策しても、同じ出塁で終わるとなれば、
飛びついて成功する場合を評価したほうがいい。

とはいえ、今宮選手の場合、
まだ粗さがあるのは確かだ。
若くて元気がよいプレイに、
多少の失敗も許すファンの目が温かい。

(続く)