できすぎた、創ったような筋書きで、
プロ野球日本シリーズが終わった。
福岡は大いに盛り上がっているが、
関東ではそうでもないらしい。
マスコミの扱いを見るとはっきり分かる。
野球のファンだったら、
よい試合や物語は味わってもらえれば、と願う。

金銭的な背景もあろう。
金で愛は買えないが、金があれば愛は潤う。
そんな名言をどこかで聞いたが、
金で勝負を買うことはできないにしても、
資金のある球団には選手も集まるだろう。

実際、金で選手を集めるようにも受け取れる様子に、
私は懸念を示していた。
だが、そうやって優れた選手が集まれば勝てるか、
というと、そんなに簡単なことでもない。

結果論ではあるかもしれないが、
ホークスの何がよかったのだろう。
他球団のことはよく知らないが、
ホークスの内情がよく伝わってくる地元において、
それを考える材料はいくらか有しているつもりだ。

印象として、
選手がつながっていることを挙げたい。
スタープレイヤーがいて活躍する、というのでなく、
横のつながりというか、for the team というか、
互いに助け合おうとするようなチームだと思うのだ。

もっと言えば、何か高校野球のチームのような空気。
個人主義に走らず、
批判よりも改善へとつねに考える、
友情のようなものが感じられてならない。

フロントのやり方と選手とが対立したり
トラブルがあったり、ということはこれまでもあった。
だがプレイにおいて、
選手間の信頼関係はかなり厚いような気がするのである。

ふと、あの松中選手の事件を思い返す。
交流戦優勝の写真撮影に参加しなかったことで、
松中選手は一軍を追放され、
長い期間ペナルティを背負うこととなった、あれである。

たしかに、大人げないような態度ではあった。
だが、傍目から見てあまりに厳しい裁定に見えた。
以後松中選手はなかなか戻ることができなくなった。
実力的なことについても意見はあろうが、
ベテランの存在が役立つことはあるだろうに、
あまりに厳しい措置であるように見えた。

だが、このチームの横のつながりの強さを見るに至り、
チーム第一でなく、自分本位の行動に走ったことは、
チームに加わる資格を剥奪されて然るべき重罪だったのだ。

チームの中で、互いに非難し合うようなことはできない。
三振した直後にも顔を上げて声を出す。
四球の連続にも「大丈夫、大丈夫」と声をかける選手間に、
選手を信頼するスタッフ。
支え合う姿勢が、チームを強くする。

(続く)