何も結婚して、互いのすべてをぶつけながら、
時に傷つき、自分を変えなければならない情況に追い込まれ、
一から新しい生活をしなければならないリスクを
冒す必要はない。
親の許にいれば、自分のことはすべて分かってくれている。
その親もまた、子どもに結婚しろ、と迫ったり、
サザエさん世代のように、むやみに縁談を持ちかけたりする
風潮とは遠い世の中になったので、
子どもに結婚を勧めることを憚っている。
子どもは、親が食事も作ってくれるし、家の環境も調えてくれる。
楽な生活なのだ。

もしも、親から独立すれば、一人で生きていく道もあるが、
互いに支えあっていこうというスタートも
始める気持ちになりうることであろう。
だが、親に従属しているとなると、
わざわざ危険な賭けに出る気持ちにもなれないという心理がありうる。

若気の至りで勢いにより結婚することもあるが、
年齢がそれなりにいけば慎重になる、という傾向もある。
だが、この経済的な背景と、さらに
そこから発生するかもしれない、精神的な依存とが、
親子共々の心理を巻き込んで、
親子がやたら仲が良く、
いつまでも親子で一緒に、という生活として続いていくことになる。

母娘でいっしょにエステに行くなど、
自慢の仲良し親子の姿ではあるだろうが、
案の定この娘は30歳を過ぎても結婚について
求める心が起こっていない。

(続く)