イスラエルは、前11世紀、
突然王政を敷く。
民が要望したのだという。

それまでは、比較的緩い結びつきの
同胞集団であったように窺える。
ただ何らかの形で統率する者が必要とされ、
士師と呼ばれる指導者がその都度いたとされる。
中国語の関係でそのように漢字が当てられているが、
大和言葉で読めば「さばきづかさ」ということらしい。
これならずっと分かりやすい。

この士師と王とはどう違うか。
ペリシテ人の文明は、
おそらく貿易も広く行っていたであろうことと、
鉄器を有していたことが決定的で、
イスラエルはペリシテには勝てない情況にあった。
圧迫を受けると、民族は不安に陥る。
制圧されて、殺され、また奴隷になるのではないか、と。

士師は、どこかボランティアというほどではないにしても、
有志による軍で動いていた。
だがそれでは不安だ。
常備軍が必要だ。特別に訓練された兵士を有する、
常備軍をイスラエルに。

これが王政の要求であった。

すなわち、王とは、貴族のことではなく、
軍事指導者なのだった。
現代世界でもそのような統帥権をもつ国家があろう。
イメージするとよい。

(続く)