小4の息子と
座席が満杯の電車に乗っていたとき、
補助席の若い男性が、
息子に席を譲ってくれた。
 
小さな子というわけではなく、
へたっていたわけでもない。
だが、子どものほうが
席に座ったほうがよい、と
その若い人は考えたのかもしれない。
 
そのお気持ちを汲んで、
ありがたく座らて戴いた。
少しはにかみながら、
ちょっと地味なふうのその人は、
こちらに背中を向けて立った。
 
私は息子に、
ではお年寄りが立っていたら、
この席を代わろう、と話した。
だが結局終点までそれはなかった。
 
思いやりの気持ちを、
また次の人に伝える。
気持ちは伝わっていくだろう。
 
どんなにか、冷たい
見て見ぬふりの出来事が溢れていようとも、
陰にはこんな優しさが、確かに存在する。
 
悪が満ちている中にも、
神はきっと、輝く小さな光を
見逃しはしないだろう。
それは、私たちも同様でありたい。