政治の世界のことはよく分からず、
ただテレビが何か言っていた、
じゃあこちらに投票しよう、
そういう人が少なくない。
 
お笑い芸人が政治に不満を言った、
それに乗じて政治が悪いと言ってみた。
そういう程度の人々もまた、
それぞれが一票をもつ。
 
プラトンが当時持ち出された民主政治を
いち早く愚衆政治と評したことが、
ここへきて現実味を帯びてくる。
民主主義は、
ひとりひとりが真面目に、また
一定の知識や考察を以て判断することを前提する。
 
しかし、自分ではよく分からないから、と
誰かの意見を参考にする。
するとその「誰か」は、
自分の意見を参考にする人々のことを計算して、
自分に同調させるための方策を考える。
事の内容ではなく、自分に賛同させるにはどうすればよいか、が
最大の関心事となる。
かくして、その「誰か」の意見が主流を行く。
その「誰か」が祭り上げられる。
人々は、それぞれ自分が選んだつもりになっている。
これが民主主義だ、との自負からあるから、始末に負えない。
 
「自分で考えることが大切」という言葉が、
自分の思いこみや感情は間違いない、という
それ自体誤った原則に従って信用され通用している。
無知なままに操られているだけなのに、
自分は正しい、と思いこんでいるからどうしようもない。
 
(続く)