ははあ、とその人は気づいた。
警察は、騒音のことで注意をしたのではなさそうだ、と。
これは、飲酒運転への警告だったのだ。
つまり、騒音の苦情が複数きていることは確実であるが、
その上で警察が飲酒運転を見逃していたとあれば、
その宴会の大人たちが飲酒運分をして帰った場合、
警察は何をしていたのか、と大変な騒ぎになる。
これを避けるために、
酒を飲んだ者が運転しないように、
最後まで見張っていたのである。
 
酒を飲んでいない家族がいる場合、
そちらが運転して帰ればまだよいわけだ。
しかし、どうやら一軒だけ、
家族の者皆が飲んだところがあったらしい。
仕方がないので、
その車だけが置かれたというわけだ。
 
ということは、もし警察が見張らなかったら、
飲酒運転が確実に発生していた、と言えるだろう。
その人は、飲酒運転の犠牲者を減らすことに貢献したわけだ。
連休が始まって、
各地で悲しい交通事故も多発している。
通報するなど少々嫌な思いがしたのだが、
いいことをしたのかな、と自分に言い聞かせてみたのだという。
 
ただ、警察官の前を、
自転車を押して帰った者がいるのが目撃されている。
つまり、酒を飲んでいたわけだ。
だがほんとうにこの人は、
自分の家まで、その後自転車を押しただろうか。
それは、誰にも分からない。
 
ところで、町おこしのイベントだという理由で、
この主催者たちには、助成金も出ている。
もしや、その助成金とやらで、
この宴会がまかなわれていたとしたら、
この町は町おこしどころではない。
町潰しになるであろう。
 
いや、実際町内会費などは、
一部の人間の宴会費に
その大部分が使われているのが実情だ。
その人の懸念も、
決して邪推などではない。
 
それでも、町内会の宴会は、
建物内で行われている。
夜いつまでも空き地で大声で宴会をすることはない。
つくづく、
町おこしイベントとは何だろうか、と
私も開いた口がふさがらなかった。