すぐに「日本の伝統」を持ち出す。
それさえ繰り出せば、
反対する者は非国民となる。
 
何を以て「伝統」とするのか。
 
そこには実のところ
強い意図性が感じられる。
 
博多の明太子やラーメンの歴史など、
実に短い歴史でしかないが、
それさえ伝統と呼ぶこともあるだろう。
 
受け継がれてきたものが伝統なのだ。
しかし、文化や精神はそんなに簡単ではない。
 
仏教には仏教の伝統があるだろう。
しかし、仏教が日本の伝統かというと、
そんなことはない。
歴史の中で見ると、
仏教も外来宗教の一つに過ぎない。
期間が比較的長いことと、
政治的に利用されたということが、
伝統宗教だと思わせる理由になっているのだろう。
 
キリスト教にしろ、
かなり古い時期に
日本人が接触していることは
ほぼ間違いないとされている。
期間からすれば、
決して仏教にひけをとるわけではない。
 
では神道こそ日本の伝統なのか。
いや、もっと古い祭儀はいくらでもあり、
神道とて大和政権の正当化のための
手段であったと言っても過言ではない。
 
(続く)